1990 Fiscal Year Annual Research Report
分布定数系に対する適応制御理論の基礎的研究と温度制御への応用
Project/Area Number |
01550337
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
大松 繁 徳島大学, 工学部, 教授 (30035662)
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Keywords | 分布定数系 / 適応制御 / 温度制御 / パラメイタ同定 / セルフチュ-ニング制御 / PID制御 |
Research Abstract |
本研究は工業炉とか製鉄プロセスなどの温度制御を行うための基礎的研究として分布定数系の適応ディジタル制御方式を開発し,さらに本研究で開発された適応制御則に基づいた加熱炉の適応温度制御をマイクロコンピュ-タによってオンラインで実行するものである。本年度は、加熱炉に含まれる未知の要素を偏微分方程式の係数が未知であることに対応させ,この未知パラメ-タをオンラインで同定するアルゴリズムの開発とそのシミュレ-ションによる定量的検討を行った。引き続いて,加熱炉の入出力デ-タから分布定数系の未知パラメ-タである熱伝導率を同定し,同定された連続時間分布定数系に対応する離散時間型偏微分系を導出した。さらに,空間座標に関する偏微分を差分化することによって,2次元ディジタルシステムを同定し,加熱炉のモデルとして採用した。この2次元ディジタルモデルを基に,数ステップ先の予測値をマイクロコンピュ-タを用いて求め,予め設定された目標値とこの予測値が合致するような最小分散型セルフチュ-ニングコントロ-ラを設計した。さらに,このコントロ-ラを実際の加熱炉に適用し,目標として設定した温度になるような適応温度制御を行った。この場合,制御性能を検討するために,オ-バシュ-ト,オフセット,整定時間の要件がどの位満足されているかという点に注目し,これらの3つの項目を指標として,PID制御およびオンオフ制御などと比較検討し,本研究で提案した手法の有効性を定量的に検証した。さらに,オ-バシュ-トを減少させるために,立上り特性を加味した仮想的な目標値の設定を行い,この目標値に対するセルフチュ-ニング制御を行い,実際の実験によって加熱炉の温度をオ-バシュ-トの殆んど生じないような適応制御が実現できることが確認された。このような適応制御系をさらに種々の制御系例えば倒立振子の安定化制御などへ応用し,かなり良好な制御結果を得た。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 大松 繁: "時間平均的観測値を有する最適平滑機構" 電子情報通信学会論文誌A分冊. 3. 456-561 (1990)
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[Publications] 山本 透,大松 繁,石原 弘一: "一般化最小分散適応制御による圧力タンクの圧力制御" 日本機械学会論文集. 523C. 205-211 (1990)
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[Publications] 細川 直史,大松 繁: "適応ディジタルフィルタを用いた画像修復と信号抽出" 電子情報通信学会論文誌A分冊. 6. 932-938 (1990)
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[Publications] 山本 透,石原 弘,大松 繁: "一般化最小分散制御系に基づいたPID制御系の設計" システム制御情報学会論文誌. 7. 205-211 (1990)
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[Publications] 大松 繁: "ニュ-ラルネットワ-クと適応制御" コンピュ-トロ-ル. 32. 73-79 (1990)
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[Publications] 遠藤 マツエ,大松 繁: "システムダイナミクス法による老齢学のための人口予測モデルニュ-ラルネットワ-クと適応制御" 老年社会科学. 12. 55-70 (1990)