1991 Fiscal Year Annual Research Report
Auto Stress設計法のためのひずみ硬化弾塑性挙動に及ぼすせん断変形の効果
Project/Area Number |
01550357
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
薄木 征三 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (50006681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷部 薫 秋田大学, 鉱山学部, 助手 (50113907)
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Keywords | オ-トストレス設計法 / ひずみ硬化 / 弾塑性 / せん断変形 / 薄肉断面 |
Research Abstract |
二径間連続鋼箱桁を対象に中間支点近傍の弾性域を越えた領域でのせん断遅れの現象の解明を行った。有限要素法など数値解析に依ることなく、本研究ではせん断変形を考慮し得る高次薄肉はる理論を基本として、実用上の精度を期待できる解析手法を考案し合わせて現象の解明を行ったもである。要約すると以下のようである。 (1)せん断変形を考慮し得る,高次薄肉弾性はり理論での変位場とひずみ場を基本とする。よって得られる解は近似解となる。この変位場は断面の軸方向変位について(断面の剛体的曲げ回転による変位+せん断変形による変位)の形になる。たわみは部材軸線のたわみで義論される。 (2)中間支点付近ではせん断遅れにより、桁軸方向曲げ応力σは箱形断面のコ-ナ-部が最大となり、フランジ中心へ向かって放物線状に減少する。ウエブ中心に向っては三次曲線的に減少しウエブ中心で零となる。よって塑性化は断面のコ-ナ-部から発生しフランジ中心およびウエブ中心へと進展する。この曲げ応力は(通常の曲げモ-メントM+せん断遅れに伴う付加曲げモ-メントH)に依存する。 (3)断面内の弾塑性境界位置がフランジ中心およびウエブ中心からそれぞれdおよびcとする。弾性域ではフックの法則によってσ=E・ε、τ=G・γであり塑性域ではσ=±σ_u、τ=0を仮定する。E、Gは弾性係数、ε、γはひずみ、σ_uは降伏点応力であり、いずれも慣用の記号による。εとγは(1)により弾性のひずみ場を用いる。これにより断面顔MとHは曲率とせん弾ひずみの1階微分で表される。 (4)断面内の弾塑性境界位置c、dでσ=σ_uと置く。また断面力M,Hは弾性の解で近似する。これら4条件より未知量c,d,曲率、せん弾ひずみの1階微分が各断面位置で求められる。 (5)2点対象載荷の場合、中間支点上のウェブが全断面降伏に至ってもフランジ中央部にはせん断遅れによってなお弾性域が残り曲げ耐力を保有することが解明された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 石田 静: "ー軸対称断面はりのひずみ硬化弾塑性解析" 土木学会第44回年次学術講演会講演概要集. 第1部. 256-257 (1989)
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[Publications] 薄木 征三: "鋼けたの弾塑性挙動に及ぼすせん断変形の効果" 秋田大学鉱山学部研究報告. 第10号. 95-100 (1989)
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[Publications] 薄木 征三: "チャンネル断面はりの弾塑性状態におけるshear lag" 平成2年度土木学会東北支部技術研究発表会. 36-37 (1991)
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[Publications] 中川 達也: "連続箱桁の中間支点部の弾塑性せん断遅れ" 平成3年度土木学会東北支部技術研究発表会. 60-61 (1992)