1989 Fiscal Year Annual Research Report
半無限弾性体上の基礎の動的応答に関する解析理論の確立と同定問題への拡張
Project/Area Number |
01550359
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
東原 紘道 東京大学, 地震研究所, 助教授 (10125891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伯野 元彦 東京大学, 地震研究所, 教授 (10016321)
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Keywords | 動的相互作用 / 弾性波動 / 半無限弾性体 / 基礎の耐震 / 地盤振動 / 橋梁の振動 |
Research Abstract |
本研究は、(1)半無限弾性体の動的コンプライアンスの解析理論である積分方程式法の展開、および(2)その計算に必要なパラメ-タを現実の振動デ-タから同定するための、本四連絡橋南備讃瀬戸大橋7Aアンカレイジにおける継続的な振動計測、の2本の柱から成っている。 このうち前者については、(1)弾性定数が複素数である場合(弾性体の内部減衰を考慮したもの)について、直接積分方程式法を拡張し定式化した。また、従来の研究結果の誤りを明らかにした。ただしその数値計算は今後の問題である。(2)円板が弾性変形をする場合について一般的に定式化し、その計算公式を明らかにした。これを用いて従来計算されなかった一様弾性円板の動的コンプライアンスを決定した。さらにこの公式に基づいて円板の弾性が変化する場合を計算した。現在公表準備中である。 研究予算の大部分は後者に投入された。すなわち、(1)振動計測を反復しつつ計測システムを改良し、相当の校費を投入して新型機器を調達し、小規模ながら柔軟で高性能の計測システムを確立した。(2)相当多数の良質の常時微動デ-タを取得した。このようなデ-タはこれまでに得られていない。(3)時刻歴波形の観察およびFFTによる周波数分析を実施した。(4)当該構造物の固有振動を3成分すべてについて同定した。(5)この情報と解析理論との結合は次年度の課題である。(6)固有振動の他にもいくつかの興味ある卓越振動を検出した。しかしこれらの特定は今後の問題である。これらの振動は本研究の本来の対象ではない。しかし構造動力学上重要な情報を蔵していると信じられるので、本研究に取り込み、今後も分析を進める。(7)常時微動を把握した結果、適切なトリガ-レベルが判明した。そこで今後はより大振幅の地震動デ-タの取得をめざす。
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[Publications] 東原紘道: "半無限弾性体と弾性円板の動的相互作用の定式方法の考察" 第20回地震工学研究発表会講演概要. 20. 357-360 (1989)
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[Publications] 東原紘道: "半無限弾性体上の円板の準静的応答の正則性" 地震学会講演予稿集. 287 (1989)
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[Publications] 東原紘道: "複素数の弾性定数を有する半無限弾性体の動的コンプライアンス" 土木学会第44回年次学術講演会講演概要集. 44-1. 716-717 (1989)
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[Publications] 東原紘道: "半無限弾性体上の弾性円板の鉛直振動の一般解法" 土木学会論文集. 416. 148-155 (1990)