1989 Fiscal Year Annual Research Report
長大橋のフラッタにおける乱れのスケ-ル効果に関する研究
Project/Area Number |
01550367
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中村 泰治 九州大学, 応力研, 教授 (80038554)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 勝哉 九州大学, 応力研, 助手 (40199063)
小園 茂平 九州大学, 応力研, 助手 (10169302)
大屋 裕二 九州大学, 応力研, 助教授 (00150524)
|
Keywords | 長大橋 / 自然風の乱れ / 乱れのスケ-ル効果 / フラッタ |
Research Abstract |
自然風は大きく乱れており、長大橋梁のフラッタ特性に主流の乱れが大きく影響する。従来のフラッタ風洞実験の最大の難点は、すべて小スケ-ルの乱流下の実験であり、物体寸法に比して自然風の乱れのスケ-ルのはるかに大きい空間の相以条件を全く満足していない。乱れのスケ-ルと物体寸法の比Lx/hの影響を知ることが目下の最大の課題である。 本年度は、曲げ1自由度フラッタ(ギャロッピング)に対する乱れのスケ-ル効果を取上げた。一様流における矩形中のギャロッピングについては、筆者らも含め、これまで数多くの研究がある。そこで辺長比2(長辺が流れに平行)の矩形中をまず取上げた。長辺d=6cm、短辺h=3cm、長さ1800cmの剛体模型を自作し、両端でばね支持し、固有振動数fy=3Hzを得た。これを、一様流、ならびに大中小3種のスケ-ルをもつ格子乱流下におき、ギャロッピングを観測した。乱れのスケ-ルと物体長の比Lx/hは、それぞれ、∞(一様流)、5.5、2.8および1.0であった。なお、乱れの強さはいずれも同一で約10%であった。実験の結果は、大きいスケ-ル効果を示した。乱れのない一様流では、典型的なギャロッピングが観測された。これに対して、小スケ-ル(Lx/h=1.0)ではギャロッピングが消失する。従来の実験がこれに相当する。今回の実験では、さらにLx/hを大きくすることができたと言う点に大きい特色がある。その結果、Lx/hを大きくするとき、減衰が次第に弱まり、一様流の結果に近づくということである。このことは特筆すべき結果であり、内外を通じ、このような知見は初めてである。Lx/hの値をさらに大きくすることは望ましいが容易でない。しかし、傾向は本実験より明らかであり、次年度以降、引続き、他の辺長比の矩形柱について、実験を継続し、研究を進める予定である。
|