1990 Fiscal Year Annual Research Report
RC構造に対する設計用荷重及び部分安全係数評価に関する研究
Project/Area Number |
01550371
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 基行 東北大学, 工学部, 助教授 (60124591)
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Keywords | RC構造 / 地震荷重 / 風荷重 / 荷重の組み合わせ / ヒュ-マン・エラ- / 破壊確率 / 部分安全係数 |
Research Abstract |
1.地震の発生における非定常性を考慮するために,わが国に影響を及ぼすと思われる震源域の現在までのひずみエネルギ-蓄積状況を推定し,それを基にして,最大地震動を推定する手法を提案した。その結果,得られた主な知見は次のとおりである。 (1).各地震におけるマグニチュ-ドの50年最大値分布は極値III型漸近分布によく適合する。 (2).現在のひずみエネルギ-蓄積状態が高いと,ある超過確率に関するマグニチュ-ドの値も大きくなる。 (3).各地域における最大加速度の50年最大値分布も極値III型漸近分布に適合する。 (4).本解析により,建設地点において構造物の耐用年数に応じた地震荷重を想定できる。 2.仙台,東京および博多における風荷重の諸特性(年最大風速,継続時間など)を台風,季節風など風の原因毎に統計的に調べた。これを基に,地震荷重と風荷重という2つの偶発荷重の同時発生確率をシミュレ-ションにより算定することにより,これら2つの偶発荷重の組み合わせの必要性について理論的に検討した。 3.構造物の安全性に大きな影響を及ぼすヒュ-マン・エラ-について検討した。すなわち,過去の構造物の事故調査,文献調査を通じてヒュ-マン・エラ-の発生頻度,構造物に及ぼす影響度(耐力低下など),およびヒュ-マン・エラ-を考慮したコンクリ-ト構造の破壊確率算定手法を提案した。 4.以上の如く,本研究は構造物の安全性に極めて大きな影響を及ぼす地震,風荷重およびヒュ-マン・エラ-について検討したものであり,今後はこれらを基に部分安全係数を評価する予定である。
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