1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550383
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
浅岡 顕 名古屋大学, 工学部, 教授 (50093175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 悟 名古屋大学, 工学部, 助手 (40194203)
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Keywords | 砂質土 / 支持力 / 浸透 / 模型実験 / 有効応用 |
Research Abstract |
飽和地盤の支持力・安定解析は、近年、間隙水圧と変位速度場を連成させて極限釣合い式を解く手法の開発によって、新たに実際的な応用の範囲を広げている。本研究では更に、浸透力による地盤の多次元的な破壊の問題(砂質地盤中の締切り矢板の下を回る浸透力による破壊)を取り上げ、解析方法の確立とともに模型実験による現象の把握・検証を試みた。以下に、本研究で得られた結論を箇条書きにする。 (1)砂は詰め方により単位体積重量が異なる。本研究では常に所定の単位体積重量となる模型砂質地盤の作成方法を確立し、緩い地盤・密な地盤に対して浸透破壊実験を行った。 試料には豊浦標準砂および愛知県知多半島で採取される野間砂を用いたが、上述の模型地盤において豊浦砂は詰め方に依らず常に過圧密的な挙動を示し、他方、野間砂は緩詰めの際には正規圧密的、密詰めの際には若干過圧密的な挙動を示すことを各種の力学試験より明らかにした。 (2)浸透破壊実験では矢板の根入れが深いと破壊に至るまでに大きな変形を生じるのに対して、根入れが浅いとボイリングの生じるまでにはほとんど変形が生ぜず、急速に全般破壊を生じる結果が得られた。 (3)限界水位高さは従来のTerzaghiの方法によると、載荷速度によらず一意的に決定されたが、実験では載荷速度の依存性が現れる。 (4)浸透力による砂質地盤の安定解析手法を提案し、非排水および排水条件で数値解析を行った。得られた限界水位高さは排水条件によって異なり、(3)の実験結果を裏付けた。載荷速度の大きい非排水条件の場合には実験と解析結果には若干の差異がみられるが、正規地盤と見做すことが出来る排水条件の場合には実験結果と非常によく一致した。
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[Publications] 浅岡顕、小高猛司: "浸透力によるゆるい砂質地盤の全般破壊" 第34回土質工学シンポジウム論文集. 1. (1989)
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[Publications] ASAOKA,Akira and KODAKA,Takeshi: "Analysis of seepage faliure of sandy soils,a coupling problem approach" 7th International Conference of The International Association for Computer Methods and Advances in Geomechanics(under contribution). (1991)
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[Publications] 小高猛司、奥井明彦、浅岡顕: "模型砂質地盤の浸透力による破壊実験" 第25回土質工学研究発表会概要集. (1990)