1990 Fiscal Year Annual Research Report
都市河川の水質汚濁機構の解明と水質環境改善手法の検討
Project/Area Number |
01550400
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
早川 典生 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (70143815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 由行 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (90172460)
福嶋 祐介 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (40111661)
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Keywords | 都市河川 / 水質汚濁 / BOD / 溶存酸素 / 底質の酸素消費 / 水質シミュレ-ション |
Research Abstract |
前年度における、長岡市柿川を対象とした調査研究結果より、都市河川の水質に対して、底質の影響が無視できないことがわかった。特に、水質の悪化する底水流量時において、底質の酸素消費が溶存酸素の流下過程において無視できないことが示された。これらの点を考慮して、本年度は底質の酸素消費速度に関する実験を行い、その結果を踏まえて、底質の寄与を考慮した水質シミュレ-ションモデルを作成した。モデルの検証のため、前年度に購入した備品を用いて、水質及び底質の現地縦断調査を行い、計算結果と比較考察した。 本年度における成果の第一は、底質の酸素消費速度が底質の有機物量及び速度定数の積で表されること、速度定数はアレニウス型の温度依存性を持つことが、実験的に確かめられたことである。実験は二種類行った。第一の実験では、コアサンプル法により現地河川から採取した底質を実験室に持ち帰り、現地水温で2日間保存し、この間における酸素減少量から底質による酸素消費速度を求めた。実験は夏及び冬2回行い、酸素消費速度が底質のCODに強く依存していることが示された。第二の実験では、同地点同時刻において多数採取したコアサンプルを三種類の保存温度で暗所に静置し、底質による酸素消費速度の水温依存性を確かめた。 成果の第二は、第一の成果より底質の酸素消費過程をモデル化し、都市河川水質のシミュレ-ションを行った点にある。今回のモデルは、著者らが既に提案した従来のモデルとは、底質による酸素消費速度に関する項が加わった点が異なる。モデルによる計算値は、底水時に行われた水質底質調査の結果を良く再現し、特に、溶存酸素濃度の流下方向変化がよく再現され、モデルの妥当性が示された。
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Research Products
(1 results)