確率マトリクス演算法による治水・利水システムの信頼性評価とその管理

1990 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 01550402
• Research Institution: Gifu. University
• Principal Investigator: 小尻 利治 岐阜大学, 工学部, 助教授 (00026353)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 岡 二三雄 岐阜大学, 工学部, 教授 (10111923)
• Keywords: 確率マトリクス / 信頼度 / 回復度 / 深刻度 / ベクトル最適化 / コンフリクトアナリシス / ファジィ推論

Research Abstract

本年度は、2年目であると共に最終年度であるので、全体の総括と次の課題について研究を行った。
1.システムの多目的評価とその統合化
河川表流水の水量、水質を各地点に設けられた基準値に対する安全度、回復度、深刻度で表わし、ト-タルな意味での信頼性評価を行った。また、システムの策定・管理への意志決定情報として、社会目標への接近をはかるべく、ベクトル最適化による目的の統合を図った。渇水時に於ける貯水池の実時間操作として、パタ-ン分類による流況の分類と予測、および、節水率を放流ル-ルにする知識ベ-スを作成しファジイ制御を導入した手法を提案した。さらに、分類されたパタ-ンにおいては、対数正規確率分布を仮定して信頼度を求め、渇水期間を計算し回復度を求めた。それによって、1次マルコフ性の基でのマトリクス演算とパタ-ン分類による流況評価を結合することが出来た。
2.コンフリクトアナリシスによる配置・規模・建設手順の決定
治水・利水システムの建設にあたっては、上下流問題・施設規模・建設時点に対する地域間のコンフリクトが発生する。そこで、メタゲ-ム理論の一種であるコンフリクトアナリシスを用いて、自治体と地域住民をプレ-ヤ-とし、異なるあいまいな好み度、時間と共に変化する好み度を制約条件として、建設意志決定の支援プログラムを作成した。曖昧性に対してはファジイ推論を用い、時間変化に対しては時間遷移マトリクスの作成により対処した。

Research Products

• [Publications] 小尻 利治: "確率マトリクス法による貯水池システムの利水安全度評価" 水文・水質源学会1990年研究発表会要旨集. 270-273 (1990)
• [Publications] 小尻 利治: "パタ-ン分類による低水流況の分類と渇水管理" 土木学会中部支部研究発表会講演概要集. 158-159 (1991)
• [Publications] S.Ikebuchi,: "Multiーobjective reservoir operation including turbidity control" AWRA,special issue. (1991)