1989 Fiscal Year Annual Research Report
ダム湖における異臭味発生の簡便な予測法に関する基礎的研究
Project/Area Number |
01550422
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
黒田 正和 群馬大学, 工学部, 教授 (40008446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榊原 豊 群馬大学, 工学部, 助手 (80143204)
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Keywords | 富栄養化 / 水質モデル / 水質管理 / 貯水池 |
Research Abstract |
草木ダム貯水池内の3地点(1)ダムサイト、(2)中流(ダムサイトから2.2km上流),(3)上流(ダムサイトから3.2km上流)で水深を変えて水質調査を行った。各測定地点では、鉛直方向に2〜5mの間隔でダムサイトでは水深60mまで8点、中流では水深30mまで6点、上流では水深10mまで3点とした。測定日はダムサイトでは週2回、中流と上流は月3回とし、測定項目は全窒素(T-N)、全リン(T-P)、全有機炭素(TOC)、濁度、硝酸性窒素、亜硝酸性窒素、アンモニア性窒素、溶在酸素(DO)及び水温とした。測定結果より次のことが明らかとなった。(1)草木湖は成層型貯水池であり、10月までは水温成層の形成がみられ、10月下旬から徐々に消滅した。DO、濁度は水温成層の影響を受け、池内の水が水温成層形成時は鉛直方向濃度変化が大きく、成層の消滅につれDO、濁度は鉛直方向で一様になった。T-N、T-P、TOCの鉛直方向濃度分布は小さかった。(2)栄養塩の流下方向濃度分布はほとんどみられなかった。phormidiumの発生は上流域では非常に少なく、流下するにつれ多くなり、中流からダムサイトトで非常に多い。鉛直方向では水深5〜10mに多く分布するようである。phormidiumの発生と栄養塩濃度との関係については従来いろいろ調査されており、草木湖は本年度の流入負荷推定値からは中栄養湖に相当し、phormidiumの発生条件は整っており、調査結果でも発生量は多い。異常臭味の発生とphormidiumの増殖との関係についても、従来いろいろ調査、検討されており、カビ臭となる2-MIB産生量は増殖に比例するといわれている。しかしながら、本年、昨年ともに非常に多くのphormidiの発生があったがカビ臭の発生はみられなかった。来年度は藻類発生の多い5〜8月に詳細な調査をし、水質予測モデルを検討する。
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