1990 Fiscal Year Annual Research Report
ダム湖における異臭味発生の簡便な予測法に関する基礎的研究
Project/Area Number |
01550422
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
黒田 正和 群馬大学, 工学部, 教授 (40008446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榊原 豊 群馬大学, 工学部, 講師 (80143204)
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Keywords | 富栄養化 / 水質モデル / 水質管理 / 貯水池 / 異臭味 |
Research Abstract |
全有機炭素(TOC),全窒素(TN),全リン(TP)水温等の流下方向及び鉛直方向濃度分布を平成2年5月〜平成3年2月まで測定調査すると共にphormidiumの発生及び異臭味物質である2MIBについて調査を行い次の結果を得た。(1)TOC,TN,TP濃度及び水温変化 測定期間における各月の平均のTOC,TN,TP濃度はTOCについては6月〜9月期,TN及びTPについては6月〜10月期がその他の月に比べ高い。流下方向濃度分布は各月とも大きな変化はなく、上流部から下流部(ダムサイト)まではほぼ一様であった。鉛直方向濃度分布は、上流部ではTOC,TN,TPとも表面の濃度が高く,中,下流部ではTOCについては表面から水深10m〜20mまで少しづつ濃度が低下し、水深20m以上ではほぼ一定であった。一方TN,TPは水深5m〜10mに濃度のピ-クがあった。水温は6月〜8月期においては表面温度が18〜23℃,水深3mで約15℃,水深20mでは約8℃であった。9月及び10月期では水温15〜18℃でほぼ一定で、鉛直方向水温分は小さかった。(2)phormidiumの発生と2MIB濃度変化 phormidiumの発生は7月中旬から8月上旬に1回と8月中旬から9月上旬に1回の2回で、異臭味物品である2MIBの濃度は7月中旬〜8月上旬の第1回目に多く、7月下旬がピ-クであった。2回目の発生である8月下旬の期間では2MIB濃度は低く、異臭味も検出されなかった。phormidium及び2MIBと水温,日射量,栄養塩濃度変化を対比してみると栄養塩濃度が十分あり日射量も多く気温と表面水温が約等しい日が長く続くとphormidiumが発生し2MIB濃度も高いが、過去の結果とも比較すると異臭味の主成分は2MIBであるが、他成分の共存の影響も考えられる。(3)TOC,TN,TP濃度及び水温変化シミュレ-ション 鉛直1次元モデルによる計算値は実測値と約一致した。
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