1991 Fiscal Year Annual Research Report
ダム湖における異臭味発生の簡便な予測法に関する基礎的研究
Project/Area Number |
01550422
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
黒田 正和 群馬大学, 工学部, 教授 (40008446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榊原 豊 群馬大学, 工学部, 講師 (80143204)
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Keywords | 富栄養化 / Phormidium tenue / 異臭味 / 水質生態モデル |
Research Abstract |
草木ダム湖は溶質成分の流れ方向の濃度変化が鉛直方向の濃度変化に比べ小さいので、湖内の流動は密度差による層流動のある鉛直一次元流れと近似し、全有機炭素(TOC),全リン(TP)、全窒素(TN),溶存酸素(DO),浮遊固体濃度(SS),クロロフィル(Cha),Phormidium tenue(P tenue),水温等の時間及び水深による変化を表す式(水質生態モデルによる式)を示した。式中に現れる種々のパラメ-タの値は、実測により求めた値及び従来いろいろ報告されている値の中で平均的な値を与えた。気象デ-タや流入・流出量は月平均値,水温は日平均値を与えて数値解析を行い、水質及びP.tenueの年間変動についてシミュレ-ションを行った。P.tenueの増殖の計算において、草木ダム湖では窒素及びリンはほとんどが無機体であったため、TN,TPを使用しP.Tenueの最大比増殖速度は2.51/日とした。P.tenueの群体数変化は実測されている年間における第一発生期のピ-クに合わせるようにすれば、計算値は年間の水質及びP.tenueの変動傾向をよく表している。しかしながら、夏期洪水流により湖水が置換される場合、TOC,TN,TP,SS等の濃度分布は大きく変動するが、このような場合濁度の変化については実測値の傾向をよく表すことはできない。草木ダム湖ではN/P比は約10で、P.tenueの制限基質はリンとみなされ、リンの流入を減少させることにより増殖を抑えることができる。また鉛直(水深)方向に混合し水温及び栄養塩濃度を低下させることによりP.tenueの増殖を抑止でき、約40mの水深から混合することによりP.tenueの群体数は約半減できる。なお、異臭味について2ーMIB濃度とP.tenueの群体数との関係については明確でなく、水質環境の影響についてさらに検討が必要である。
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Research Products
(1 results)