1990 Fiscal Year Annual Research Report
ゴルフ場で散布される農薬の運命予測と水源水質および健康に与える影響の評価
Project/Area Number |
01550425
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
盛岡 通 大阪大学, 工学部・環作工学科, 助教授 (30029350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 実 大阪市環境科学研究所, 研究員
東海 明宏 大阪大学, 工学部, 助手 (90207522)
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Keywords | 農薬 / 健康リスク / 運命予測 / リスク・アセスメント / リスク・マネ-ジメント |
Research Abstract |
ゴルフ場で散布される農薬のうち、殺虫剤ダイアジノン,殺菌剤クロロタロニル,除草剤シマジンを対象として,流出モデルを構築し、河川水を飲用とする場合の慢性毒性および発ガン毒性を推定、評価した。その結果は,クロロタロニルについての発ガン毒性が100万人に1人の追加的ガンを生じる水準を越えたのをはじめ、リスク・アセスメントの必要性を再確認するものであった。 リスクの見積りには不確実な要素があるので、その平均的水準と危険側から10%程度の水準とで幅のある推定をおこなう方式を改良した。このなかでは,動物実験の結果を人の低濃度での曝露に外挿するプロセスに最も顕著な不確実性が残されているので、当面は人への毒性の見積りの証拠なり信頼性にスコアをつけ、その水準に照らして見積り値を政策分析に用いることを提案した。 同時に、流出プロセスには観測値が付随しているので,それを絶対視する傾向があるから,むしろ、雨天時および晴天時の観測デ-タをもとにその変動幅を推定する試みをおこなった。その結果,雨天時の流出直後には1桁以上高濃度があらわれることがモデル上も確認されたので,小規模水道水源にとって20mm程度の降雨の流出に対してリスク回避のマネ-ジメントを試みる必要性が明らかとなった。
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