1990 Fiscal Year Annual Research Report
有核微生物フロックを用いる生物処理プロセスの実用化のための基礎的研究
Project/Area Number |
01550429
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
柏谷 衛 東京理科大学, 理工学部, 教授 (80152643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出口 浩 東京理科大学, 理工学部, 助手 (70207504)
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Keywords | 貯水槽付回分式反応槽 / 有核微生物フロック / 無核微生物フロック / ガラスビ-ズ / 撹拌強度 / 成長限界径 / 付着比 / 添加率 |
Research Abstract |
平成2年度実験計画に基づいて,貯水槽付回分式反応槽(以下,反応槽という)を3基準備し,その内の2基には有核微生物フロック形成用ガラスビ-ズ(径0.05mm)を反応槽容積に対して1%,3%添加して実験を行なった.残りは無核微生物フロックのみによる運転を実施した.反応槽の運転はいずれも1サイクル4時間とした. ガラスビ-ズを添加した反応槽では有核微生物フロックが形成されて,運転開始後,約2カ月で槽内微生物濃度は6g/1に達した.有核フロック1個には7〜12個のガラスビ-ズが含まれていた. 流入基質濃度を変化させた実験では,1日6サイクル運転の内前半の3サイクルにBOD=100mg/1,後半の3サイクルにBOD=200mg/1の2種類の基質を投入した.有機炭素化合物の除去は良好に行なわれた.全窒素化合物の除去は,基質濃度にはよらず,循環比で定まる除去率をやや下回ることになった.全リン化合物の除去はBOD=100mg/1の基質が供給された場合には除去率90%以上が得られたが,BOD=200mg/1の基質を供給した場合には除去率は50%を下回ることとなった.この全リンの除去については流入基質濃度(量)と反応槽内微生物濃度が全リン除去率に影響するということが過去の実験により見いだされていたが,これ以外に全リン除去率に影響を及ぼす要因の存在が示唆された. 反応槽撹拌翼のトルクおよび有核微生物フロック平均径の測定から有核微生物フロックの成長限界径は撹拌強度の関数として表せることが見いだされた.また微生物の媒体への付着比を求めたところ,ガラスビ-ズ添加率1%では,100%の媒体に微生物付着が認められたが,添加率3%では添加した媒体の約70%に微生物が付着していたのみであり,添加率3%は過剰であった.
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[Publications] 出口 浩,柏谷 衛: "嫌気・無酸素・好気プロセスによる都市下水の処理に関する研究" 衛生工学研究論文集(土木学会). 27. 145-156 (1991)
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[Publications] Mamoru Kashiwaya and Hiroshi Deguchi: "An evaluation of AnaerobicーAnoxicーOxic process from the viewpoints of variation of carbon compounds and their material balance" IAWPRC ASIAN WATERQUAL'91.