1989 Fiscal Year Annual Research Report
RCおよびSRC内部柱梁接合部における弾塑性応力伝達機構に関する研究
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01550434
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
城 攻 北海道大学, 工学部, 助教授 (00002014)
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Keywords | 内部柱梁接合部 / 鉄骨鉄筋コンクリ-ト / 弾塑性変形挙動 / 剪断破壊 / 応力分担 / 接合部横補強筋比 / 変形性能 |
Research Abstract |
本研究は、力学性状の異なる鉄筋コンクリ-ト(RC)造と鉄骨(S)造との組合せによる鉄骨鉄筋コンクリ-ト(SRC)構造物の合理的設計法を確立するために必要な基礎的資料を得ることを目的とするが、架構のうち最も重要でまた力学性状の不明快な部位である柱梁接合部を対象として、RC造およびS造の接合部内における応力や剛性の分担状態を実験的に把握し、合成構造であるSRCの接合部応力伝達機構を解明するものである。 試験体は実大のおおよそ1/2縮小模型で、直交梁を有するがスラブのないSRC十字形内部柱梁接合部架構を用いたが、柱・梁・接合部の外形寸法は一定とした。実験変数としては、梁鉄骨断面係数と梁引張筋比との割合、コンクリ-ト強度、接合部横補強筋量の3種であり、合計4体を製作した。加力は地震時水平力を想定して、梁の両端部変位が逆対称になるように繰り返し変位漸増加力を行った。計測は、柱・梁剪断力、接合部変形、柱・梁たわみ、鉄骨および鉄筋各部の歪などである。 1.梁鉄骨断面係数と梁引張筋比との割合が変化するとSとRCとの梁曲げ降伏耐力の負担割合が変わるために、両者の接合部梁端部からの剪断入力量も変化する。しかし、鉄骨ウエブおよび接合部コンクリ-ト断面積はそれぞれ一定であるため、SRC接合部の挙動に及ぼす影響は少ない。 2.RCとSとの接合部剪断耐力時接合部変形角は、接合部横補強量が少ないとRCの方が小さいため、SRCの耐力は両者の耐力の累加とはならない。このためコンクリ-ト強度が増大してもRC接合部が最大耐力を発揮した後の耐力低下が激しければ、SRCの耐力増大への効果は期待できない。 3.接合部横補強筋量が増すとRC接合部の最大耐力後の剛性低下が少なくなるため、両者の累加とて求められる値はSRC耐力に近づく。
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