1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550440
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山田 稔 神戸大学, 工学部, 教授 (40083977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 明勲 神戸大学, 工学部, 助手 (50155199)
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Keywords | 鉄骨鉄筋コンクリ-ト / 耐震壁 / 壁厚 / ブレ-ス綱板 / スリップ破壊 / 初期剛性 / 最大耐力 / 劣化勾配 |
Research Abstract |
鉄骨鉄筋コンクリ-ト耐震壁は現在主として鉄筋コンクリ-ト壁版で構成されているがその性状は殆ど解明されていない。本年度は鉄骨鉄筋コンクリ-トに内蔵される(a)鉄筋コンクリ-ト壁版の効果を主として壁版の厚さの変化をパラメ-タ-として解明すること(b)綱板ブレ-スを内蔵した鉄筋コンクリ-ト壁版の効果を、主としてブレ-ス綱板の向きの変化をパラメ-タ-として解明すること。以上の(a)(b)2シリ-ズにより、鉄骨鉄筋コンクリ-ト耐震壁の基本抵抗機構の解明を行った。 結果は、(a)鉄骨鉄筋コンクリ-トラ-メンに内蔵される鉄筋コンクリ-ト壁について、壁厚が抵抗過程と崩壊性状に及ぼす影響は、壁厚が薄いほどひびわれが壁面全体に拡がり壁全体に圧力場を形成して抵抗し、スリップ破壊を生ずるのに対し、壁厚が厚くなるとひびわれ発生は、対角線方向、壁中央部分に集中する傾向にかわる。さらに周辺フレ-ムに加わる力も大きくなるので周辺フレ-ムがせん断破壊を生じ易くなる。このフレ-ムのせん断破壊は壁部分のせん断ひびわれが周辺フレ-ムを貫通した形となり、この現象に対し、周辺フレ-ムの鉄骨のウェブが有効であることが実証された。次いで(b)綱板ブレ-スの内蔵効果に対する綱板の向きの影響については、同一断面帯綱板を壁面と平行及び直交方向に入れて比較実験を行った結果、壁面と平行帯綱板ブレ-スでは初期剛性、最大耐力は高いが、最大耐力後の劣化勾配が大きくなるのに対し壁面と直交帯綱板ブレ-スでは初期剛性、最大耐力は低く、最大耐力時層間変形角は大きく、最大耐力後の劣化勾配は小さくなる。 以上、本年度は鉄骨鉄筋コンクリ-ト耐震壁の基本抵抗機構の解明の第1段階として、(a)(b)両シリ-ズの実験の結果が、上記のように得られた。この基本特性の解明結果を基盤に、次年度の研究展開が可能となった。
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[Publications] 山田稔,河村廣,谷明勲,田村浩史: "鉄骨鉄筋コンクリ-ト単位耐震壁の弾塑性変形並びに崩壊性状に関する研究(XIV.スリップ破壊型ー2)" 日本建築学会近畿支部研究報告集. 29号. 505-508 (1989)
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[Publications] 山田稔,河村廣,谷明勲,田村浩史: "鉄骨鉄筋コンクリ-ト単位耐震壁の弾塑性変形並びに崩壊性状に関する研究(XVI.マルチブレ-ス法にスリップ破壊を考慮したー方向変形解析)" 日本建築学会大会学術講演梗概集. 1495-1496 (1989)
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[Publications] 山田稔,河村廣,谷明勲,田村浩史: "鉄骨鉄筋コンクリ-ト単位耐震壁の弾塑性変形並びに崩壊性状に関する研究(XVII.壁厚を変化させた実験結果の総括)" 日本建築学会近畿支部研究報告集(1990年5月). 30号. (1990)
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[Publications] 山田稔,河村廣,谷明勲,江藤達朗: "鉄骨鉄筋コンクリ-ト単位耐震壁の弾塑性変形並びに崩壊性状に関する研究(XVIII.X形鋼板ブレ-ス)" 日本建築学会近畿支部研究報告集(1990年5月). 30号. (1990)