1989 Fiscal Year Annual Research Report
埋込み基礎側壁の地震時における制震効果の定量的評価法
Project/Area Number |
01550442
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
吉田 長行 広島大学, 工学部, 助教授 (30144877)
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Keywords | 地盤 / 基礎 / 相互作用 / 境界積分方程式法 / 地震 / 制震 |
Research Abstract |
32ビット高性能ワ-クステ-ションを購入することにより任意形状埋込み基礎と粘弾性平行多層地盤の周波数領域における3次元動的相互作用解析法を開発した。解析法を次に要約しておく、まず地盤を基礎の近傍地盤と外部地盤に分割する。近傍地盤は埋戻し土を含む不整形地盤とし、外部地盤は粘弾性平行多層地盤とする。近傍地盤は有限要素法または境界要素法により、外部地盤は境界積分方程式法によりそれぞれ離散化し、両者を仮想仕事法に基づいて結合する。境界積分方程式には薄層法によって求められる任意の周方向フ-リエ展開次数を有するリング状線加振解を用いる。これにより高精度で高速度の動的相互作用解析が卓上において実現可能となった。 以上の解析法を埋込み構造物の側壁における埋戻し土の効果や剥離、滑動等の非線形現象を簡便に模擬することのできる線形解析モデルに適用し、側壁の制震効果を定性的に明らかにした。その結果、構造物と側壁地盤の関係において、剛な構造物には剛な地盤拘束、柔な構造物には柔な地盤拘束が耐震上有利であることが判明した。 平成元年度において目標とした埋込み基礎の側壁における動的効果の定性的評価に関する研究は、32ビット高性能ワ-クステイションを購入することにより完全に達成された。ただし、地盤と基礎の3次元動的相互作用解析の数値計算プログラムの計算容量は、本研究によって中規模なものへと相当程度縮小されたものの、複雑な形状を有する解析対象に対しては依然コア容量が不足している。平成2年度においては、コア容量を増設することによりこれを解決する。
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