1989 Fiscal Year Annual Research Report
暑中環境及び養生方法がコンクリ-トの物性に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
01550444
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大久保 孝昭 九州大学, 工学部, 助教授 (60185220)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中武 幹男 九州大学, 工学部, 教務員 (30101174)
原田 志津男 九州大学, 工学部, 助手 (40198916)
松藤 泰典 九州大学, 工学部, 教授 (20037922)
|
Keywords | 暑中環境 / 暑中コンクリ-ト / 養生 / コンクリ-ト / 温度分布 |
Research Abstract |
本研究はコンクリ-トの練混ぜから、打設・養生までの各工程における外気温の高低がコンクリ-トの諸性状に及ぼす影響を定量的に把握し、暑中環境下で製造・施工されるコンクリ-トの物性向上を目的として行うものである。 これまで、暑中環境とコンクリ-トの諸物性の関係を定量的に明らかにするための実験及び世界各国における暑中環境の形態の文献調査を行い、以下のような成果を得ている。 (1)種々の調査及び実験から暑中環境におけるコンクリ-トは強度発現に関しては、長期強度の伸びが少ないものの初期強度発現が高く大きな欠陥とはなり得ない。 (2)打設初期のプラスチックひび割れが構造、美観及び防水性上大きな欠陥となり、コンクリ-トの品質を低下させる。 (3)暑中環境とフレッシュコンクリ-トの性状の関係のついては、外気温が変化する場合のコンクリ-ト温度推定式を導出して、実際の工事に使用されるコンクリ-トに適用して、この式の妥当性を明らかにした。 (4)世界各国の暑中環境の調査に関しては、特に東南アジアの蒸暑気候について調査を行い、本研究室(九州大学工学部建築学科、材料実験室)にシミュレ-ション装置を設置し、プログラムを開発して、これらの気候を再現し、この環境下で打設・養生したコンクリ-トの強度性状等について検討を行った。ただし、実験日数とコンクリ-トの養生期間の関係から、世界各国の暑中環境は数多くあるためすべてを再現して実験を行うことが不可能であり、暑中環境を大まかに分類し、モデル気候で実験を行うことが必要であることが分かった。 将来のシミュレ-ション実験のデ-タとなるように世界各国の暑中環境の調査は今後も行う予定である。
|
-
[Publications] 松藤泰典: "暑中環境下で打設されるコンクリ-トの温度分布" 日本建築学会研究報告中国・九州支部. 第8号・1. 41-44 (1990)
-
[Publications] 松藤泰典: "暑中環境下におけるフレッシュコンクリ-トの温度推定" 日本建築学会研究報告中国・九州支部. 第8号・1. 45-48 (1990)
-
[Publications] 松藤泰典: "温湿環境シミュレ-ションシステムによる暑中環境の再現" 日本建築学会研究報告中国・九州支部. 第8号・1. 49-52 (1990)