1989 Fiscal Year Annual Research Report
建築意匠設計のエクスパ-ト・システム化に関する研究
Project/Area Number |
01550472
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉田 勝行 大阪大学, 教養部 (50029146)
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Keywords | 建築立面の意匠設計 / エクスパ-ト・システム / 直方体分割図 / AI / トラセ / 非線形計画法 / モデュロ-ル / シンプレックス探索 |
Research Abstract |
本研究は、人工知能の技法を応用し、出来る限り一般の建築家が持つ知識を活用して自律的に美しい建築立面の意匠設計案を導き出すアルゴリジムの確立を目指すものである。本年度は研究計画の初年度に当たり、以下のような基礎的な研究成果を得た。 1.古典主義の時代においては、建築家はトラセの幾何学を元に美しい建築立面を作成したと考えられている。研究を始めるに当たり、トラセに関し、建築立面を構成する各部位の比例関係についての実例を18例収集し、デ-タ-ベ-ス化した。 2.トラセをベ-スとした建築形態を、計算機上で効率的に表現出来る構造を開発し、それらを扱うための簡易言語系を作成した。 3.非線形計画法により、直方体分割図にモデュロ-ルにもとずく寸法を最も多く割り付け、美しい建築立面を作成するプログラムの基礎を開発した。 4.フルカラ-・フレ-ム・バッファロ-に3.の出力を出すことで、処理結果をフルカラ-の透視画像として得ることが可能になった。 上記の3.においては、研究の性質上有効数字がmmの単位まででよいのであるが、単精度でプログラム化すると、シンプレックス探索では正解の出ない場合がままあった。倍精度でプログラム化すると、正解は得られるものの時間がかかるため、システムとして使いずらい。次年度は、解法に含まれる収束条件を検討しなおし、単精度で正解が得られる方法を探求する予定である。
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