1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550487
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中島 巖 北海道大学, 工学部, 教授 (50001243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
氏平 増之 北海道大学, 工学部, 助教授 (90001990)
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Keywords | 試錐工学 / 検層 / 計測施工 / 穿孔音スペクトル / 岩石物性 / 穿孔システム / 制御信号 |
Research Abstract |
現在、試錐工学の分野においては施工中地殻情報を実時間で得ることが強く望まれている。特に、孔壁破壊等の突発的な事故を未然に防ぐためには、岩盤性状や岩石物性を計測しながら施工する穿孔システムの開発が必要になってきている。 本研究では、この観点から穿孔音のスペクトル解析による検層法について実験的に研究を進めた。すなわち、岩石の穿孔音をトリコンビットから検出し、FFT法によるスペクトル解析および振幅確率密度関数解析を行った。特に穿孔音の検出に当っては、ビットに直接取り付けた小型加速度計の出力をロッド末端のテレメ-タから受信できるような信号検出システムを開発した。また、スペクトル解析に当っては、検出波形のパワ-・スペクトルをエネルギ伝達関数により演算処理し、減衰した穿孔音成分を復調されることに成功した。以上の解析結果から得られた岩石穿孔音の諸特性と岩石物性との関係について考察した結果、以下の点が明らかになった。 (1)岩石の穿孔音スペクトルは、検出波形のスペクトルをエネルギ伝達関数により演算処理することによって求めることができる。 (2)穿孔音スペクトルにおける高周波成分の卓越値と圧縮強度、ヤング率およびショア硬度等の岩石物性との間には線形関係があり、このばらつきは実用上問題にならない程度である。 (3)穿孔音振幅確率密度分布のゆがみおよび偏平度と岩石物性値との間にもよい線形関係が認められる。 (4)岩石の穿孔音をモニタすれば、上記の線形関係を利用して実時間で検層することができる。また、本法によって得られる岩石物性情報は穿孔システムの制御信号として活用できる。
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[Publications] 中島 巖,村井 融: "岩石穿孔音のスペクトルに関する研究" Hokkaido Geotechnics '90(北海道応用地学合同研究会論文集). No.1. 77-82 (1990)
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[Publications] 中島 巖,氏平 増之,村井 融: "穿孔音スペクトルによる岩石物性の評価法" 資源・素材 '90(資源・素材学会秋季大会分科研究会資料). K1. 9-12 (1990)