1989 Fiscal Year Annual Research Report
高温・高圧下における掘削泥水の熱物性値に関する研究
Project/Area Number |
01550489
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
幾世橋 広 東北大学, 工学部, 助教授 (70005263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
京 宗輔 東北大学, 工学部, 助手 (20005458)
榎本 兵治 東北大学, 工学部, 助教授 (80005412)
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Keywords | 天然ガス開発 / 地熱開発 / ベントナイト泥水 / 熱伝導率 / 非定常細線双殺法 / 養生温度 / インコネル・シ-ス被覆細線 / 電気伝導性液体 |
Research Abstract |
天然ガス及び地熱の開発を目的とした坑井の堀削深度は、より深くなる傾向にあり、それと共に地層の温度も上昇し、堀削泥水及びビットの温度管理ならびに逸泥対策は増々重要となってきた。特に、地熱開発に当っては、堀削後、できるだけ速やかに地層の平衡温度を予測することが重要となってきた。 上述の事項に対応するためには、坑井内及び坑井周囲岩盤の温度解析を行う必要があるが、そのためには、地層の熱物性値の他に、堀削泥水の高温・高圧下における熱物性値が必要となる。しかし、これらに関する系統的なデ-タは、報告者等の既報の若干のデ-タ以外に、国内外において、ほとんどない状況である。その理由は、液体の熱物性値,特に熱伝導率の測定は、測定が難しく、さらにベントナイト泥水は電気伝導性を有するため、さらに測定が困難であるためと考えられる。 本研究においては、初年度、非定常細線双殺法を用いた泥水の熱伝導率の測定装置の開発を行い、ベントナイト泥水の熱伝導率とその濃度及び温度との関係を明らかにすることを目的とした。 細線には、外径0.65mmのインコネル・シ-ス被覆のクロメル(+)アルメル線を使用した。 純水による測定精度の検討を行ったが、実験範囲(室温〜250℃)において、文献値との誤差±7%以内と推定された。 泥水の熱伝導率λは、泥水の養生温度によって影響を受けることがわかった。養生温度が100℃以下の場合には、濃度範囲(0〜10%)において、濃度及び温度の増加とともにλは増加(0.7から0.85W/(m・K))するか、養生温度200℃では、λは濃度の増加とともに増加し、温度依存性は前者と逆になることがわかった。
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[Publications] 幾世橋広・松木彰・京宗輔・千葉昌宏・高杉真司・松村茂樹・篠原信男: "高温・高圧下におけるベントナイト泥水の熱伝導率の測定(速報)" 石油技術協会誌. 54. 319-320 (1989)
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[Publications] 幾世橋広・松木彰・京宗輔・千葉昌宏・高杉真司・松村茂樹・篠原信男: "高温・高圧下におけるベントナイト泥水のレオロジ-特性および熱伝導率との関係" 石油技術協会誌. 54. 320-320 (1989)