1990 Fiscal Year Annual Research Report
高温・高圧下における掘削泥水の熱物性値に関する研究
Project/Area Number |
01550489
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
幾世橋 広 東北大学, 工学部, 助教授 (70005263)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
京 宗輔 東北大学, 工学部, 助手 (20005458)
榎本 兵治 東北大学, 工学部, 教授 (80005412)
|
Keywords | 掘削泥水 / 熱伝導率 / 高温 / 非定常細線法 / 相殺法 / 測定精度 / ベントナイト泥水 / U字状細線 |
Research Abstract |
1.研究目的及び研究計画 平成2年度は,ベントナイト基本泥水に各種添加剤,即ち,分散剤,脱水減少剤,界面活性剤,増粘剤,消泡剤及びpH調整剤を所定の量添加して,それらの添加剤が泥水の熱伝導率に及ぼす影響を室温から250℃までの温度範囲において明らかにすることを目的とした。しかし,これらの影響を詳細に明らかにするためには,元年度に開発した推定測定精度±7%以内の外径0.65mmのインコネル・シ-ス被覆の長・短2本のプロ-ブを用いる非定常細線相殺法では,測定精度が不十分であることが研究途中で明かとなり,まず,装置の改良から始めることにした。従って本年度は,外径52μmのポリイミドイミド被覆の長・短2本のU字状白金細線(白金線直径は40μm,長さはそれぞれ約450mm 及び250mm)を用いる相殺法を開発することに主眼を置いた。 2.測定装置の精度の検討結果 熱伝導率が既知の純水及びグリセリンなどを標準試料に用いて,本装置の測定精度の検討を行った。まず,再現性を検討するために,ブリッジ電圧を5,10及び15Vと変化させて測定を行った。その結果、電圧変動の熱伝導率測定値への影響は,その平均値に対し純水では±2.0%以内及びグリセリンでは±1.4%以内であった。それらの測定値と文献値との差は,純水では温度25ないし50℃の範囲において±3.2%以内,及びグリセリンでは20ないし150℃で3.8%以内であった。20℃濃度10%のベントナイト基本泥水の熱伝導率の測定値の平均値は,0.537W/(m・K)であり,再現性は±1.7%以内であった。今後の課題は,この測定精度を維持しつつ,測定操作を簡易化し,現場の技術者でも測定できるようにすることである。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 幾世橋 広・松木 彰・京 宗輔・千葉 昌宏・高杉 真司・村松 茂樹・篠原 信雄: "高温・高圧下におけるベントンナイト基本泥水の熱伝導率の測定" 石油技術協会誌.
-
[Publications] 幾世橋 広・松木 彰・京 宗輔・千葉 昌宏・高杉 真司・村松 茂樹・篠原 信雄: "高温・高圧下におけるベントンナイト基本泥水のレオロジ-特性及び熱伝導率との関係" 石油技術協会誌.
-
[Publications] 幾世橋 広・兵藤 正美・高杉 真司・村松 茂樹・京 宗輔: "高温下におけるベントナイト掘削泥水の見掛け粘度に及ぼす固形分の影響" 日本地熱学会誌.
-
[Publications] 幾世橋 広・菅野 充広・京 宗輔: "U字状細線相殺法による掘削泥水の熱伝導率の高精度測定" 石油技術協会誌.