1989 Fiscal Year Annual Research Report
中性子回折と熱測定による金属結晶中の(重)水素の応力による再配列に関する研究
Project/Area Number |
01550503
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
梶谷 剛 東北大学, 金属材料研究所不定比化合物物性学部門, 助手 (80134039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平林 真 いわき明星大学, 理工学部物性学科, 教授 (00005836)
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Keywords | Neutrou Diffraction / Metal Hydride / Metal Deuteride / Site Occupancy / Therwal Analysis / AC Thernal Analysis |
Research Abstract |
従来の金属水素系の研究は以下の6種にほぼ大別できる。1.実用材料の水素割れに関する研究、2.金属水素化物の結晶構造と熱的安定性に関する研究、3.水素の拡散定数の測定、4.金属中の欠陥等による水素の捕獲を放出に関する研究、5.金属の水素吸蔵特性の研究、6.水素吸蔵による(O)強磁性転移や超伝導転移の発生に関する研究。 本研究は上記の研究の1,2および4に関連したものであり、次の2種類の実験を行うことによって非等方性応力場における金属中の水素の挙動を研究しようとするものである。〔研究1〕非等方性応力場による水素の安定位置の変化を中性子回折によって、その場観察する。〔研究2〕非等方性応力による金属水素化合物の熱的安定性の変化を熱測定によって研究する。 研究1によって応力印加による金属中の水素の拡散経路の変化を知ることができる。さらに水素化合物の応力場中での弾性定数の変化を予想するヒントを得ることができる。研究2によって静水圧下の条件では起きていないような水素化合物の生成消滅挙動を知ることができる可能性がある。本年度の研究は主として研究1の中性子回折によるα-NbD_<o2>内の1軸性応力下における重水素の占有位置の変化を追求した。試料は単結晶のNbに重水素を添加し、180℃に加熱して均一なα相の状態とし、〔001〕方向と〔111〕方向からそれぞれ1軸性の圧縮および引張り応力を加え、中性子回折によってプラグ回折強度を求め、その強度から重水素原子の分布を求めた。中性子回折強度を確保するためには水素の同位体である重水素を用いて研究した方が良い。研究の結果、無応力下では重水素は全ての四面体位置に均等に分布するが〔001〕方向から圧縮するとその1/3の位置から残りの2/3の位置へと重水素が移動した。
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Research Products
(1 results)