1990 Fiscal Year Annual Research Report
混晶半導体のスピノ-ダル分解の金属物理学的手法による研究
Project/Area Number |
01550508
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹田 精治 大阪大学, 教養部, 助教授 (70163409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
華 国春 大阪大学, 教養部, 助手 (20224321)
武藤 俊介 大阪大学, 教養部, 助手 (20209985)
平田 光兒 大阪大学, 教養部, 教授 (00029638)
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Keywords | 混晶半導体 / ガリウム・ヒ素・リン化合物 / 透温電子顕微鏡法 / 濃度変動 |
Research Abstract |
スピノ-ダル分解の研究は分解を起こす組成の試料の入手に手間どりやや遅れているため、半導体の濃度変動、点欠陥集合体、界面構造について透過電子顕微鏡法により詳しく調べた結果を以下にまとめる 1.暗視野電顕法による混晶半導体中の濃度変動の解析 混晶半導体中では濃度変動によるる縞状コントラストが暗視野像に観察されることがある。暗視野像強度の濃度の変化に対する感受性(chemical sensitivity)を考察して暗視野像撮影のための反射、あるいは薄膜膜厚などの最適な実験条件を検討した。スピノ-ダル分解による濃度変動の検出にもこの手法は有効であろう。 2.種々の方法で成長した混晶半導体の結晶成長と格子欠陥 (1)MOCVD法によるZnSーZnSe混晶:これはZnSとZnSeを交互に積層させた歪超格子だが断面TEM観察を行なってみると、ミスフィトが殆どない系と異なり独特のうねった界面を見ることができた。 (2)VPR法によるGaAsP混晶:気相成長用のガス流量の変化とミスフィト転位の分布・伝ぱんとの関係を調べ、急激なガス組成変化を加えてもミスフィト転位の伝ぱんを完全には阻止できないことがわかった。またガス流量の微少な変化による濃度変動を上述1.の手法で検出・解析した。これ以外ではAsとPはよく混合していた。 (3)LPE法によるGaAlAs混晶:これは発光ダイオ-ド用の材料である。GaとAlはよく混合して濃度変動はみられなかった。以上の系では分解は起こっていない。 3.半導体中の点欠陥集合体の構造解析 半導体中の格子間原子は熱平衡欠陥ではないが実際の材料中では集合体として存在することが多い。このうちシリコン、ゲルマニウムで広く知られた{113}面上の集合体の原子配列の解明にほぼ成功した。
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[Publications] S.takeda,S.Muto and M.Hirata: "Transmission Electron Diffraction Patterns of ElectronーIrradiationーInduced{113}ーFaulted Loops in Si" Jpn.J.Appl.Phys.29. L1698-L1701 (1990)
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[Publications] S.Takeda,M.Hirata,S.Muto,G.C.Hua,K.Hiraga and M.Kiritani: "HRTEM Observation of ElectronーIrradiationーInduced Detects Penetrating through a Thin Foil of Germanium" Ultramicroscopy. (1991)
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[Publications] S.Takeda: "An Atomic Model of ElectronーIrradiationーInduced Defects on {113} in Si" Jpn.J.Appl.Phys.30. (1991)
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[Publications] 平田 光兒: "シリコンの点欠陥と自己拡散" 固体物理. 25. 805-812 (1990)
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[Publications] S.Muto,R.Oshima and S.Takeda: "Analysis of Lattice Modulations in the Tweed Structures of an FeーPd Alloy by Image Processing of a HRTEM" Jpn.J.Appl.Phys.29. 2066-2071 (1990)
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[Publications] S.Takeda,M.Hirata,T.Sato,H.Fujita and K.Fujii ed.K.Sumino: "Detects and Microstructure in Vapor Phase Epitaxial Grown GaAsxP_<1ーx>1GaP" Detect Control in Semiconductors. 1111-1116 (1990)