1990 Fiscal Year Annual Research Report
レアア-ス元素のイオン交換樹脂による分離への錯体形成反応の応用に関する研究
Project/Area Number |
01550517
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
梅津 良昭 東北大学, 選鉱製錬研究所, 助教授 (10005423)
|
Keywords | 溶媒抽出 / 錯体形成剤 / 相互分離 / 抽出率 / レアア-ス元素 / 抽出速度 |
Research Abstract |
酸性リン酸塩系抽出剤を用いた溶媒抽出によるレアア-ス元素の相互分離は対象イオンと有機相中の抽出剤との親和力のわずかな差を利用し M^<3+>(aq)+3(H_2R_2)_<(0)>【double half arrows】M(HR_2)_<3(0)>+3H^+ なる反応で水相ー有機相間に各イオンが分配される。レアア-ス元素の化学的類似性のために相互分離は非常に因難である。従来は主に有機相への試薬添加による分離性の改善を図ってきた。本研究ではこれに加えて,水相への錯体形成剤を加え,抽出平衡や有機相への移行速度の差を変化させて分離を改善する方法の可能性を検討した。 抽出剤としてDZEHPA(di(2ーethylhexyl phosphorous acid)およびHEH(EHP)(2ーethylhexyl hydrogen 2ーethylhexyl phosphonate)を使用し,水相へキレ-ト剤DTPA(diethylene triamine pentacetate)を添加,抽出反応 MDTPA^<2ー>+3(H_2R_2)_<(0)>【double half arrows】M(HR_2)_<3(0)>+H_3DTPA^<3ー> による抽出率および抽出の速さを測定し,Ce,Pr,Ndの相互分離に及ぼす影響を明らかにした。 DZEHPAによる抽出では、金属イオンと抽出剤の親和力が大きいためにDTPAの水相への添加は本実験の条件下では顕著な効果が現われなかった。 HEH(EHP)を用いた抽出では,高いpH域でDTPAの添加によって抽出の抑制がおこった。この抽出の抑制はCe<Pr<Ndの順で大きく現われ,相互分離保数を無添加の抽出に比較して大きくすることができた。抽出剤濃度,DTPAー金属イオンモル比,pHを適宜選択することによって相互分離を向上させることが可能である。DTPAの添加によって抽出速度を変化させることができ,Ce>Pr>Ndの順で抽出速度を大きくすることができた。DTPAの添加によって各イオンの分配平衡および抽出速度の差を拡大し,相互分離を促進させることが可能であることを明らかにした。
|
Research Products
(1 results)