1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550519
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
一瀬 英爾 京都大学, 工学部, 教授 (10025918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諸岡 明 京都大学, 工学部, 講師 (20026008)
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Keywords | Ag-Mn合金の熱力学 / Fe-Mn-C合金の熱力学 / クヌ-ゼンセル質量分析法 |
Research Abstract |
1.Ag-Mn2元系合金の活量測定 クヌ-ゼンセル質量分析計を用いてイオン強度比法により、Ag-Mn2元合金の活量測定を1300-1600のK温度範囲で行った。この温度での均一液相領域であるX_<Mn>=0-0.6の各種試料についてAgおよびMnのイオン強度比を測定し、1523および1573KにおいてCibbs-Duhem式に基づいてAgおよびMnの活量を算出した。ただし、Mnの活量については高Mn液相中でRaoult則を仮定し、2液相領域の境界線組成を利用して積分定数を決定した。その結果、Mnの活量は低Mn濃度域ではRaoult則より負に偏位し、X_<Mn>=0.25の辺りから正に変位することが判った。また次の活量係数の値を得た。 γ_<Mn>=0.603 γ_<Ag>=5.98 (1573K) γ_<Mn>=0.409 γ_<Ag>=6.37 (1523K) 2.Fe-Mn-C3元合金の活量測定 溶融Ag中へのFeおよびCの溶解度が非常に低いことを利用して、CおよびMn濃度の異なる数種類の溶融Fe-Mn-C合金と溶融Ag-Mn合金を1823Kで平衡させ、等Mn活量下で溶鉄中のC濃度とMn濃度との関係を求めた。このとき系のMnの活量は、上記のAg-Mn合金で得られたAg中のMnの活量を1823KまでRTlnγ=const.の関係を利用して外挿した値を用いた。Fe-Mn-C3元系の成分の活量係数の組成依存性が2次までの相互作用パラメ-タにより表現できると仮定して、各種相互作用母係数を求めた。その結果次の値を得た。 ε_<Mn>^c=-0.48 ρ_<Mn>^c=3.54 (1823K) 3.来年度の予定 上記1.の実験では、試料の蒸発が著しく、いくつかの実験では試料の減量が甚だしく、実験精度に問題があるので、測定温度を下げた実験を行い実験結果の確認をする。2.の実験ではMn活量の水準を増やし、Cの活量係数に及ぼすMnの影響などについても測定を行う。
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