1989 Fiscal Year Annual Research Report
イオン交換膜を使用する微量有価金属の濃縮回収に関する研究
Project/Area Number |
01550527
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
籏 杏洲 千葉工業大学, 工学部, 教授 (30083819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 智司 千葉工業大学, 工学部, 助手 (80118710)
後藤 佐吉 千葉工業大学, 工学部, 教授 (00010645)
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Keywords | 亜鉛製錬 / 湿式製錬 / 微量有価金属 / 回収 / イオン交換膜 |
Research Abstract |
亜鉛の湿式製錬における亜鉛侵出液中の微量コバルトおよび侵出残滓中の微量ガリウムを,イオン交換膜を用いる方法によって回収することを検討している。 1.亜鉛侵出液中の微量コバルトの回収:陰イオン交換膜を隔膜とし,鉛板を陽極,銅板を陰極とするポリプロピレン製電解槽を製作し,これを用いて硫酸亜鉛溶液中の微量コバルトを電解によって回収するための基礎条件を明かにした。すなわち亜ヒ酸をコバルトの3倍のヒ素濃度(モル濃度)となるように添加すると,陰極面上の水素過電圧を下げるので亜鉛の陰極への析出を防ぎ,またコバルトをヒ素との化合物または合金として効率よく陰極に析出させる。液の温度は80℃程度,pHは4.0程度がよく,電流密度は10A/m^2以下にする必要がある。これ以上の電流密度では亜鉛も析出する。また電流密度が大きい程コバルト析出に要する電力は大きくなる。従ってコバルトの分離回収を能率よく行なうためには,電流密度を高くすることはできず,液量に対する陰極面積の比を大きくする必要がある。以上の検討結果にもとづき,表面積の大きい多重銅網製陰極の中を,亜ヒ酸を添加したコバルト含有硫酸亜鉛溶液を循環させる電解槽を製作し,これを用いて実験しているが,20ppmのコバルトを1ppm以下にするための電解電力は,溶液1m^3あたり4KWH程度となる見透しを得ている。 2.亜鉛侵出残滓中のガリウムの回収:亜鉛侵出残滓を高温・高濃度の硫酸によって溶解し,この溶液中の硫酸イオンをイオン交換膜を用いて除去し,また微量のガリウムを濃縮することを検討している。まず拡散透析法および電気透析法によって溶液中の硫酸イオンを除去する際の亜鉛イオン,鉄イオン,ガリウムイオンの挙動をしらべている。
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Research Products
(1 results)