1989 Fiscal Year Annual Research Report
液相法によるAl合金とアルミナ繊維・粒子の複合化過程の解析
Project/Area Number |
01550534
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森 信幸 九州大学, 工学部, 助手 (20108666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大城 桂作 九州大学, 工学部, 教授 (40038005)
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Keywords | 複合材料 / アルミナ繊維 / アルミニウム合金 / 濡れ性 / 加圧溶浸法 / FRM / 高圧鋳造法 / 真空吸引法 |
Research Abstract |
溶融Al合金を用いてアルミナ繊維及び粒子分散複合材料を製造する際の基本的問題であるアルミナと溶湯の濡れ性及びアルミナ間隙への溶湯の浸入過程とその後の凝固過程について調査し、液相法による材料複合過程を系統的に研究した。まず、真空チャンバ-内の黒鉛シリンダ-にアルミナ短繊維を充填し、ピストンで溶融Al合金を一定速度で圧入してその圧入圧力-距離の関係及び試料の気孔率を測定した。さらにアルミナ間隙の大きさを分散材の形状・大きさ及び分布の観察結果をもとに水力半径の分布として評価し、アルミナ間隙のAl合金溶湯の浸入過程を表面張力による圧力項を考慮したD'Arcyの式をもとに細孔内の流れとして解析して溶浸時の圧力変化を求め、実測値との対応を明らかにした。次いで、アルミナの短繊維あるいは粒子を焼結した基盤と溶融Alの接触角θを測定し、θに及ぼすアルミナ表面性状の影響を調査した。粒子焼結基盤の接触角は、光沢表面の基盤では濡れの複合則により基盤本体の気孔率から予測される値に近いが、非光沢表面の基盤では予測値から著しく異なり、基盤表面形態を画像解析装置で評価することにより濡れの複合則が適用可能であった。さらに、Alとの複合性を良くするため表面にCuを無電解メッキ法でコ-ティングしたアルミナ繊維を用いて、真空吸引法により溶融Alとの複合化を行った。Cuメッキ層の厚さが0から約4μmまでの範囲では、メッキ厚さが厚いほど複合は容易となり、気孔の少ない複合体はメッキ厚約1〜2μm以上で得られた。このCuメッキ繊維を束ねて平板状に設置した基盤と溶融Alの濡れ性はメッキなし繊維の場合と大差なかったことから、上記のCuの効果は主として繊維間隙の拡大にあると考えられた。より緻密で密着性の良いCuメッキを試みた繊維ではAlとの濡れ性が改善されたので、これによる複合化も行う。さらに、セラミック間隙のAl合金の凝固組織の定量化を試みた。
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