1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550538
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
竹内 宏昌 東海大学, 工学部, 教授 (70107580)
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Keywords | マグネシウム / リチウム / マグネシウムーリチウム合金 / 減衰能 / 内部摩擦 / ダイカスト / 宇宙材料 / リングテスト |
Research Abstract |
本研究は、マグネシウム-リチウム合金にカルシウム、ナトリウムなどの元素を添加し、溶解・凝固を行い、この系の合金の鋳造組織、減衰能特性、機械的性質、耐食性などを調べることを目的とした。 マグネシウムーリチウム合金に金属ナトリウムを加えるには、本実験装置内のるつぼに直接挿入できないので、金属ナトリウムをガラス管内に封入し、その状態のまま、マグネシウム合金と一緒に溶解し凝固させた。このときの雰囲気にはアルゴンガスを使用した。その結果、ナトリウムは、凝固に伴い粒界あるいは粒内に塊状で晶出する。従って、組織観察中においても、この試料は表面が燃焼しはじめるため実用材料として好ましくないことがわかった。一方のカルシウムを加えたマグネシウム合金は比較的安定した試料が得られた。これら合金の鋳造欠陥である割れは、合金の固液共存領域の大小に左右され、他の合金系と同様な傾向を示した。1%以上のナトリウム、カルシウム添加は、この鋳造割れを助長させる傾向を示した。また、マグネシウムにリチウムを15%以上加えると著しく耐食性を害することがわかった。そして、カルシウムの添加はこの耐食性を改善するような傾向も示さなかった。さらにリチウム量の多いマグネシウム合金にカルシウムを添加えるとミクロポロシティ発生量が多くなる傾向を示した。 マグネシウムーリチウム合金の組織はカルシウム添加量の増加に伴い徴細化される傾向を示した。これに伴い、硬さも増加し、機械的性質の改善が認められた。そして、カルシウム量1%までのマグネシウムーリチウム合金は高い減衰能を示した。 以上、まとめると、比較的良好な特性を示した組織範囲は3〜5%リチウム、0.1〜0.5%カルシウム、残マグネシウムであり、将来の材料として有望であることがわかった。
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Research Products
(2 results)