1990 Fiscal Year Annual Research Report
金属基繊維強化複合材料の界面反応による力学特性劣化のメカニズム
| Project/Area Number |
01550549
|
|---|
| Research Institution | Kyoto University |
|---|
Principal Investigator |
落合 庄治郎 京都大学, 工学部, 助教授 (30111925)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長村 光造 京都大学, 工学部, 教授 (50026209)
|
|---|
| Keywords | 複合材料 / 界面反応 / アルミニウム / アルミナ繊維 / 引張強さ / ノッチ / シア・ラグ・アナリシス / モンテカルロシミュレ-ション |
|---|
| Research Abstract |
アルミナ繊維強化アルミニウム基複合材料およびボロリン繊維強化アルミニウム基複合材料の界面反応,マトリックスおよび繊維の組織、マトリックスの靭性が平滑材および切り欠き材の変形・破壊挙動に及ぼす影響を詳しく調べた。また前者の複合材料に銅を添加し,高温強度の改善を試みている。今年度の研究結果は以下の如く要約される。
(1)両複合材料共に反応層は変形早期に破断し繊維表面にノッチを形成する。その結果繊維強度は著しく低下する。複合材料の強さもそれに従って低下するが,特に少数の繊維の破断は隣接繊維を次々と破断し,複合材全体を脆弱にする。これらの結果をモンテカルロシミュレ-ションで再現することに成功した。
(2)従来、界面反応の強さに及ぼす影響は平滑試験を用いて調ベられることが多かった。しかし実用化を考えた場合,破壊靭性の評価とも合わせて,切り欠き材を用いての研究が要請される。本研究では,ノッチ先端での繊維にかかる応力集中をシエア・ラグ・アナリシス法を用いて計算すること,その際界面反応層はどのように振舞うかを定量化すること、破壊靭性を評価するための方法を考案することを目的の一部とし,研究を進めている。応力集中の計算方法はほぼ完成し,投稿の準備を進めている。
(3)アルミナ繊維強化複合材料への銅添加は横方向強さの改善、耐熱性の改善に効果的であった。しかし鋳造時のCuAl_2化合物の繊維表面への晶出の結果、室温での強さは逆に低下する傾向が見られた。これはこの化合物がクラックの起点となっているためであることが走査電顕観察より明らかになった。この点を定量化するため現在モデル計算を行なっている。この計算方法が確立できれば,他の複合材料系にも応用でき,今後の複合材料研究の進歩に大きく寄与すると考えられる。
|
-
[Publications] 落合 庄治郎: "In fluences of Matrix Ductility,Interfacial Bonding Stvength,and Fiber Voleeme Fraction on Tensile Strength of Unidirectional Metal Matrix Composite" Metallurgical Transactions. 21A. 971-977 (1990)
