1989 Fiscal Year Annual Research Report
反応拡散を利用した超高圧下のTiーAl系状態図の作成と状態図計算
Project/Area Number |
01550551
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山根 寿巳 大阪大学, 工学部, 教授 (30028972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 秀樹 大阪大学, 工学部, 助手 (20202749)
南埜 宜俊 大阪大学, 工学部, 助手 (30116107)
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Keywords | 状態図 / 拡散 / 高圧力 / ラタン / アルミニウム |
Research Abstract |
1.目的 TiーAl系合金は近年軽量耐熱材料として注目を集めており、多くの研究者によってこの系の状態図は研究されている。しかし常圧下の状態図ですら、研究者によって異なっており未だ不明な点が多い。そこで、本研究では反応拡散法を用いて、まず常圧力下のTiーAl系状態図を作成し、さらに超高圧力下の状態図についても研究を行った。 2.実験方法 99.79wt%Tiと99.99wt%Alからア-ク溶解によりTiー9.3,18.5,39.1wt%Al合金を作製し、均一化焼純を、行った。常圧実験の拡散対は、これらの合金を抵抗溶接により接合したものを用い、これをArガスとともに封入して973ー1623kの温度範囲で焼純した。なお、ガスの圧力は焼純温度でほぼ常圧となるように設定した。一方、常圧と同じ上記の合金を4×2.5mmの円板に加工し、これを組み合わせて高圧実験の拡散対とし、立方体WCアンビル型装置を使って高圧を負荷して焼純を行った。温度は、1123ー1623Kの範囲で、±1K程度に制御され、40K/S以上の速度で冷却した。焼純後、拡散対はEPMAにより相境界濃度を測定し、状態図を作成した。 2.結果(1)常圧実験の結果(1)Murrayによるとα相は1558K以上では存在しないとしているのに対して、最近のMcCilloughらの高温X線の結果とHuangらの組織観察による結果はいずれも約1700Kの高温までα相が安定していることを示した。本研究においては1558K以上の高温度地域でもα相が反応相として形成され、その塑性範囲も後者の実験結果とよく一致している。(2)Ti_3AlがMurrayの状態図よりも70K程度高い約1523Kの温度域まで存在した。(3)1400K以下の温度域では、Murrayの状態図は本研究の結果とよく一致した。(2)高圧実験の結果(1)2.2GPaの高圧を加えることにより、αTiおよびTiAlの存在領域は常圧よりさらに50K高い1573K付近まで拡大した。(2)Ti_3Al、TiAlの存在領域は高圧力により大きく変化しなかった。
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