1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550552
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷口 滋次 大阪大学, 工学部, 助教授 (50029196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 俊夫 大阪大学, 工学部, 教授 (90001205)
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Keywords | Ni_3Al / 高温耐食性 / レ-ザ-表面処理 / ボロン添加 / ハフニウム添加 |
Research Abstract |
次の三種類の試料 Ni_3Al(試料1)、Ni_3Alー0.1B(試料2)、Ni_3Al-1.0B-0.4Hf(試料3)を作成し、これらおよびこれらの薄い表面層のみを炭酸ガスレ-ザ-を用いて溶融急冷した試料について、大気圧下の純酸素中、1300Kで等温酸化試験および繰り返し酸化試験を行った。等温酸化試験中の試料質量の変化の測定には、本補助金で購入した測定精度の高い自動記録熱天秤を用いた。酸化生成物の性状の調査には、X線回折、走査電子顕微鏡、マイクロアナライザ-などを用いた。 (1)等温酸化試験 試料1、2では、レ-ザ-表面処理により、合金表面層の結晶粒が微細となり、アルミナ皮膜の形成が促進され、酸化速度は下がった。しかし、長時間酸化ではアルミナ皮膜の上に酸化ニッケルが成長してきて、酸化速度が速くなる。組織観察の結果などによると、これはアルミナ皮膜に小さい欠陥があるためと考えられる。試料3では、非常に密着性の良い酸化皮膜が形成され、塑性変形能を上げるため添加したボロンの量を増加してもハフニウムが密着性を著しく高め、酸化速度を小さくし、耐酸化性を著しく向上させることがわかった。ハフニウムがこのように優れた効果を示すため、レ-ザ-表面処理の効果は現れず、むしろボロンを多量に添加したため、レ-ザ-表面処理により合金表面に小さい割れが発生し、アルミナ皮膜の保護性が少し悪くなる。 (2)繰り返し酸化試験 試量1、2では酸化皮膜の剥離が繰り返されるので、試料質量が減少する。レ-ザ-表面処理を行うと、酸化皮膜と合金の界面にできるボイドが小さくなり、剥離の程度は小さくなるが、剥離は防止できない。これに対して、試料3では繰り返し酸化でも剥離は見られない。レ-ザ-表面処理を行うと少し酸化速度が上がる傾向があるが、耐酸化性は充分である。
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