1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550556
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
森井 賢二 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (10101198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津田 大 大阪府立大学, 工学部, 助手 (80217322)
間淵 博 大阪府立大学, 工学部, 講師 (70109883)
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Keywords | 相変化型光記録材料 / 多層膜 / 固体反応 / Te-Ge系 |
Research Abstract |
カルコゲン系化合物薄膜の中には非晶質-結晶間の相変化が1μs以下の極めて短時間で完了するものが存在し、相変化型光記録材料として注目されている。本研究ではこのようなカルコゲン系薄膜をとりあげ、高速相変化相の固体合成法と高速相変化の機構を検討することを目的とする。本年度の課題はTe-Ge系についてイオンビ-ムスパッタリング法によりナノメ-タ-オ-ダ-の積層周期をもつ多層膜の成膜技術を確立することとし、以下の点について検討を進めた。 1.イオンビ-ムスパッタ装置の改良:積層周期をナノメ-タ-オ-ダ-で制御しながら多層膜をスパッタ法で作製するために、二基のイオン源を備えた成膜装置を試作した。これら二基のイオン源により二種類の板状タ-ゲットを交互にスパッタすることにより任意の積層周期をもつ多層膜を得ることができる。例えば、Ar^+イオンを用い、引出電圧7kVとした場合、2x10^<-4>Torrの真空下で、Pt,Ge,Teに対してそれぞれ、2.8,2.5,3.0nm/min程度の成膜速度が得られ、上記の目的に十分対応できるものである。 2.成膜条件の設定と積層膜の試作:Te(6N)およびGe(6N)小片を円板状に配置したタ-ゲットを用い種々の積層周期をもつTe/Ge多層膜をガラス基板状に成膜した。積層膜全体の平均組成は、Te/Ge層厚を1/1〜10/1と変化させることによりTe-60at%Ge〜Te-13at%Geの範囲で調整した。各構成層の厚さは1-10nmとし、総積層数は20とした。室温基板上に成膜された多層膜はX線的にはアモルファス状であった。また、低角度域のX線回折パタ-ンには超格子による1次ないし3次ピ-クが認められ、ステップモデルによる解析の結果、ほぼ目的の構造を有する積層超薄膜が作製できたことが確認された。現在、これら積層膜に対して高分解能透過電顕による詳細な組織観察がすすめられている。
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Research Products
(1 results)