1989 Fiscal Year Annual Research Report
ガストンネル型プラズマ溶射による高品質セラミックス
Project/Area Number |
01550564
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 明 大阪大学, 溶接工学研究所, 助教授 (70110773)
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Keywords | ガストンネル型 / プラズマ容射 / セラミックスコ-ディング / アルミナ皮膜 / 適正溶射条件 / 高品質溶射皮膜 / 付着特性 / ビッカ-ス硬度 |
Research Abstract |
本研究では、超高温.高エネルギ-プラズマジェットによる新しい容射法(ガストンネル型プラズマ容射)を、従来のプラズマ容射では困難であった高融点セラミックスの容射に適用し、高品質セラミックスコ-ディングの作製の立場より新容射法の特徴を実験的に解明している。 本年度は、ガストンネル型プラズマ溶射装置を用いて、アルミナなどのセラミックス粉末を様々な溶射条件で溶射し、その溶射粒子の付着特性を調べるとともに、皮膜品質との関連を調べた。 まず、このガストンネル型プラズマ容射において、アルミナ粉末を用いて、プラズマ入力、溶射距離に注目して、良好な品質の皮膜が得られる適正溶射条件領域を求めた。その結果、その適正溶射条件領域は、従来型プラズマ溶射の場合と比較して溶射距離の長い方向に広がっていることが明らかになった。例えば、20kwの低入力においても溶射距離100mmでアルミナ皮膜作製が可能であり、入力36kwでは溶射距離170mmで良好な品質のアルミナ皮膜が作製できる。 また付着特性と皮膜性質との関連については、良好な品質の皮膜が破漬状の付着粒子により形成されることが判明するとともに、適正溶射条件領域における臨界溶射距離が、付着特性より求められる特性溶射距離に対応することが明らかになった。 次に、ガストンネル型プラズマ溶射により作製したセラミックス皮膜の断面の光学顕微鏡による観察では、気孔が極めて少なく、緻密な皮膜であることが確認された。それぞれのセラミックス皮膜のビッカ-ス硬度は従来型皮膜と比較して約30%高い値を示し、非常に硬い膜である。 以上の結果をもとにして近距離溶射での高品質セラミックスコ-ティングの作製を試みており、現在アルミナを始めジルコニアなどの各種セラミックスの非常に高硬度で緻密な皮膜が得られている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 小林明: "“ガストンネル型プラズマ溶射における溶射条件の影響"" 高温学会誌. 15ー5. 210-216 (1989)
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[Publications] Akira Kobayashi: "Formation of High Hardness Ceramic Coating by Gas Tunnel Type Plasma Spraying"" Trans. of JWRI. 18ー1. 13-17 (1989)
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[Publications] 小林明: "“ガストンネル型プラズマ溶射ーその機構と特徴"" 工業材料. 37ー16. 32-35 (1989)
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[Publications] 小林明: "“ガストンネル型プラズマ溶射装置による溶射粒子の付着特性とセラミックス皮膜特性"" 溶接学会誌. (1990)