1989 Fiscal Year Annual Research Report
diasporeから高活性α-アルミナ粉体の調整に関する研究
Project/Area Number |
01550584
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
土田 猛 北海道大学, 工学部, 助手 (40041959)
|
Keywords | アルミナ水和物 / diaspore / 水熱合成 / α-アルミナ / 反応性 |
Research Abstract |
1.アルミナ3水和物(bayerite等)に中国産diaspore鉱石を種結晶として加え、IN NaOH溶液中、400℃、1000気圧以上の条件でdiaspore(β-Al_2O_3・H_2O)試料の水熱合成反応を行い、diaspore結晶の調整に成功した。 2.合成されたdiaspore結晶は、幅20〜30μm、長さ〜50μmのずんぐりした柱状粒子であるが、乳鉢中で軽く粉砕すると、結晶の長軸(C軸)に沿って、幅1μm、長さ10μmの針状結晶へへき開した。結晶の方位関係および、加熱による結晶形態の変化挙動等について調べた。 3.diasporeの加熱変化によってα-Al_2O_3が生成する過程をTG-DTA、高温X線回折、SEMなどで調べ、また設備費で購入した赤外線ゴ-ルドイメ-ジ炉を用い、β-Al_2O_2・H_2O→α-Al_2O_3+H_2Oの脱水反応の速度論的検討を行った。脱水反応のkineticsは、Avrami-Erofeevの速度式で整理された。 4.今後はdiasporeの脱水分解によって生成したα-Al_2O_3のX線回折、SEM観察、粒度分布、BET表面積測定などを行い、structureとtextureおよび物性を調べ、アルミナ3水和物を1300℃以上の高温で焼成して得られる従来のα-Al_2O_3のそれと比較する。これまでに得られたFT-IRスペクトルの結果から、diasporeから600℃で熱分解生成したα-Al_2O_3の表面高活性が予想される。 5.さらにdiasporeから生成したα-Al_2O_3を用いて固体間反応や触媒反応を行い、その反応性について調べる。
|