1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550588
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
服部 豪夫 千葉大学, 工学部, 助教授 (80009539)
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Keywords | HIP / 熱電材料 / カルコゲン化鉛 / 緻密化 / 固溶体 / 結晶子径 / 格子定数 |
Research Abstract |
熱電材料として有用なカルコゲン化鉛は高温の酸化雰囲気下において不安定であるため、普通焼結法での緻密化は困難である。本研究では、HIP焼結法によりPbTe、PbSeおよびPbSの緻密化を試みた。また、PbSeとPbTeの固相反応と緻密化にもこの方法を適用して、PbSe_xTe_<1-x>固溶体(XはPbSeのモル分率)を調整し、得られた固溶体の密度と処理温度および圧力の関係を調べ、それらの微構造も観察した。さらに、固溶体のX線回折図形から結晶子径を求め、格子定数の変化も調べた。 試料(PbTe、PbSe、PbSの純物質およびPbSeとPbTeを所定のモル比で混合した物)を湿式粉砕した後、6mmφ×3mmのペレットを作製し、さらに100MPaの圧力で静水圧加圧成形した。これらの成形体をBN粉末で覆い、ガラスカプセル中に真空封入した。これらを熱水利用型HIP装置により所定の条件で焼結させた。HIP処理した焼結体密度をアルキメデス法により測定した後、SEM観察に供した。 PbSeの焼結体密度は温度、圧力および保持時間の増加に伴い増大した。今回の実験において800℃、150MPa、1hおよび2hの条件下でHIP処理した焼結体の相対密度はともに100%T.D.となった。焼結体破断面をSEMで観察したところ、気孔は全く見あたらなかった。その微細組織は層状構造となっており、劈開性が予想される。なおPbTeとPbSについても同様であった。800℃、50MPa、2hの条件でHIP処理したPbSe_xTe_<1-x>固溶体のそれぞれの面方向における結晶子径は、組成に対して下に凸の変化を示し、純物質の結晶子径(200〜250Å)よりも常に小さくなっていた。これは、固溶体生成反応に時間を要するために結晶子の成長が遅れたためと思われる。PbSe_xTe_<1-x>固溶体の格子定数は、組成に対してほぼ直接的に変化した。
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Research Products
(1 results)