1989 Fiscal Year Annual Research Report
チタン酸ジルコニウムを基体とした高周波用誘電体ならびに低熱膨張材料の設計
Project/Area Number |
01550590
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
福長 脩 東京工業大学, 工学部, 教授 (20199251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦部 和順 龍谷大学, 理工学部, 教授 (50016383)
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Keywords | ZrTiO_4 / HfTiO_4 / α-PbO_2型化合物 / 低熱膨張 / 高周波用誘電体 |
Research Abstract |
α-PbO_2型複合酸化物に関する仮説の検証ならびに低熱膨張材料の設計を目ざして、ZrTiO_4の固溶体の熱膨張について研究を進めている。そのうち、ZrTiO_4-(In^<3+>、Ta^<5+>)O_2系固溶体の熱膨張がHfTiO_4のそれに似てくるとの結果を得ている。今後同系についての研究を拡充する予定である。 今年度はZrTiO_4-HfTiO_4系の誘電的性質について重点的に研究を進めたので、その結果を以下に述べる。 各元素の硫酸塩水溶液に過剰のアンモニア水を加えた共沈物を前駆体として、ZrTIO_4-HfTiO_4系固体溶体を作製した。同固溶体を円板状に成形し、1600℃で10時間焼結させた試料を熱処理した。高温型と略記するのは1300℃、5時間の熱処理の後、水中に急冷した試料である。また、低温型と略記するのは1200℃、2時間の加熱の後、毎分0.5℃の割合で徐冷した試料である。高温型の比誘電率(1KHz、20℃)はZrTiO_4で46、HfTiO_4のそれが33と、組成によりほぼ直線的に変化した。一方、低温型の比誘電率はZrTiO_4で40、Zr_<0.75>Hf_<0.25>TiO_4のそれが42.5、HfTiO_4で34.5と極大値を持った。また静電容量の温度係数(TCc)は高温型のZrTiO_4で-120×10^<-6>K^<-1>、HfTiO_4で170×10^<-6>K^<-1>、低温型のZrTiO_4で-90×10^<-6>K^<-1>、HfTiO_4で175×10^<-6>K^<-1>であった。 これらの結果、この系固溶体の比誘電率およびTCcが組成ならびに熱処理により広範囲に調整可能なこと、さらに、条件を適正に選べば、TCcをゼロに設計できることが判明した。また、ZrTiO_4にHfO_2を固溶させた系の性質がZrTiO_4にSnO_2を固溶させた系に類似する、その熱膨張に関する実験事実が、比誘電率およびTCcについても同様に見られることが明らかになった。即ち、この系化合物についての仮説が、熱膨張に加えて誘電的性質についても適用できることが判明した。
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Research Products
(1 results)