1990 Fiscal Year Annual Research Report
チタン酸ジルコニウムを基体とした高周波用誘電体ならびに低熱膨張材料の設計
Project/Area Number |
01550590
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
福長 脩 東京工業大学, 工学部, 教授 (20199251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦部 和順 龍谷大学, 理工学部, 教授 (50016383)
井川 博行 東京工業大学, 工学部, 助教授 (30016612)
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Keywords | マイクロ波誘電体 / 常誘電体 / チタン酸ジルコニウム固溶体 / αーPbO_2構造形化合物 / 低熱膨張セラミックス / セラミックスの材質設計 |
Research Abstract |
(1)ZrTiO_4ーSnO_2系固溶体の誘電性の研究 前年度にZrTiO_4ーHfTiO_4系固溶体の誘電性につき研究した。本年度は上記固溶系につき研究し,その結果を前年度の系と比較することにより,本系複合酸化物に関する申請者らの作業仮説に基づく予想と対比した。 Zr_<1ーx>TiSn_xO_4,ZrTi_<1ーx>SnO_4,およびZr_<1ーx/2>Ti_<1ーx/2>Sn_xO_4の3種置換固溶系のxが0.2と0.4の場合について研究した。その結果つぎの事項などを明らかにした。(a)混合組成がZr_<0.6>TiSn_<0.4>O_4の試料のみは不純物としてTiO_2(ルチル)を含有したが、他は単一相の固溶体が得られた。(b)高温型熱処理の急冷試料の比誘電率(Er)はほぼ直線的にxの増加とともに減少した。(c)低温型熱処理の徐冷試料のErは上記(b)とは明らかに異なり,xの増加により曲線的に減少した。(d)静電容量温度係数(TCC)の組成変化についても,Erと類似した関数が見られた。(e)上式の3種固溶系のErとTCCの組成変化を比較すると,Zr_<1ーx/2>Ti_<1ーx/2>Sn_xO_4系は他の2系の線形結合で示されないという奇妙な事実が明らかになった.(f)前記(b),(c),(d)の結果はZrTiO_4ーHfTiO_4固溶系と絶対値は異なるが基本的には同一傾向である。この事実は作業仮説による推定と全く整合しており,相転移と熱膨張に加えて誘電性においても仮説を適用できる可能性が有る。(g)現在製造されていると同程度か若干優れた特性の高周波誘電体の材質を明らかにした。 (2)作業仮説の検証ならびに低熱膨張材料の設計 ZrTiO_4ーIn_2O_3ーSb_2O_5およびZrTiO_4ーIn_2O_3ーTa_2O_5置換固溶系の相転移と熱膨張につき研究した。その結果,ZrTiO_2In_<0.4>Ta_<0.4>O_4やZrTi_<0.1>In_<0.45>Ta_<0.45>O_4にHfTiO_4より明らかに低熱膨張の固溶体を発見し,仮説の予想と整合する結果を得た。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 井川 博行,成田 博,福長 脩: "ZrTiO_4ーHfTiO_4固溶体の高周波誘電性" 日本セラミックス協会学術論文誌. 98. 860-863 (1990)
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[Publications] A.Yamamoto,T.Yamada,H.Ikawa,O.Fukunaga,K.Tanaka and.F.Marumo: "Modulated Structure of ZrTiO_4" Acta Crystallographica C. (1991)
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[Publications] H.Ikawa,H.Shimojima,K.Urabe and O.Fukunaga: "Thermal Expansion of Solid Solutions in the ZrTiO_4ーIn_2O_3ーM_2O_5 (M=Sb,Ta) System" Journal of the American Ceramic.Society. (1991)
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[Publications] 成田 博,井川 博行,福長 脩: "ZrTiO_4ーSnO_2固溶体の相転移と誘電特性" 日本セラミックス協会学術論文誌.
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[Publications] H.Ikawa,H.Narita,O.Fukunaga and R.E.Neunham: "Materials and Processes for Microelectronic SystemsーCeramic Transactions Vol.15" The American Ceramic Society Ine., 10 (1990)