1989 Fiscal Year Annual Research Report
無水フッ化水素溶液系を用いたグラファイトインタ-カレ-ション反応の設計と制御
Project/Area Number |
01550593
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
東原 秀和 信州大学, 繊維学部, 教授 (40026141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖野 不二雄 信州大学, 繊維学部, 講師 (60214037)
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Keywords | クラファイト層間化合物 / フッ素化学 / フッ化水素 |
Research Abstract |
空気中でも比較的安定な非揮発性低次フッ化物、あるいは三元系フッ化物の濃度をコントロ-ルしたHF溶液に、F_2ガスを間欠的にフロ-することにより、ステ-ジ数と層間化学種が制御された層間化合物(GIC)を次のように合成した。 1.LiBF_4-HF系 LiBF_4のHFへの溶解度はかなり多角(飽和濃度〜4.2M)、HF中の[BF_4^-]をコントロ-ルできる。2M>[BF_4^-]>0.2Mの広い濃度範囲でステ-ジ2、これより高濃度でステ-ジ1、低濃度でステ-ジ3化合物が生成した。このように、HF中の[BF_4^-]を変化させることにより、ステ-ジ数を制御できることが明らかにされた。ステ-ジ1化合物ではC_<8 3>BF_4、ステ-ジ2化合物はC_<12 3>BF_4であった。 2.SnF_4-HF系 SnF_4のHFへの溶解度は非常に小さく、[SnF_6^<2->]の濃度を広い範囲にわたって制御することは困難であった。そこでSnF_4の濃度を一定(飽和溶解度)として、HF溶液中へのF_2のフロ-時間を変化させたところ、ステ-ジの異なる化合物C^×SnF_yが得られた。この系のインタ-カレ-ション反応は次に示すような弛緩反応であることはすでに明らかにした。 C+1/2F_2+HF → C_×^+HF_2^-(グラファイトの酸化)(1) C_×HF_2 + SnF_6^<2-> → C_×SnF_6 +HF_2^-(置換的インタ-カレ-ション)(2)従ってC^×SnF_yのステ-ジ数は(1)式で示したようなグラファイトの酸化によって生成するC^×HF_2^-のステ-ジ数に依存する。すなわちF_2のフロ-時間に依存することから、C^×SnF_yのステ-ジ数はF_2のフロ-時間を制御することによって変化できることが明らかにされた。次年度においてはこのようにして得られた化合物の種々の物性を調べるとともに、電池活物質への応用等にも研究を発展させる所存である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Touhara: "A New Synteric Pathway to Involatile Fluoride-Graphite Intercalation Compounds." J.Chem.Soc.,Chem.Commun.
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[Publications] H.Touhara: "An ab Initio Molecular Orbital Study on the Reactivity of Elemental Fluorine in the Presence of HF." J.Fluorine Chem.,.
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[Publications] H.Touhara: "Synthesis of Chromium Fluoride-GIC in Anhydrous HF Solution System." Synthetic Metals.