1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550598
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
逆井 基次 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (50124730)
|
Keywords | 多結晶セラミックス / 焼結粒界 / 破壊靭性値 / 亀裂・欠陥 / 破壊力学的相互作用 / R曲線 |
Research Abstract |
本研究では、多結晶セラミックス中の微小亀裂と焼結粒界との破壊力学的な相互作用の解明を通じ、セラミック材料の破壊靭性への粒界効果を明らかにすることを目的とした。 1.実験 焼結粒径を広範囲で変化された酸化物系セラミックス(MgO、Al_2MgO_4)及び多結晶黒鉛材を試料として用い、(焼結粒径)/(亀裂寸法)をパラメタ-として、強度、破壊靭性値、R曲線を評価した。また微小亀裂間での微視的な破壊力学相互作用を定量化するためシリカガラスに圧子により微小亀裂を複数個導入したモデル試験片の破壊力学パラメタ-の測定・解析も行なった。 2.成果の概要 (1)巨視的亀裂と微視的亀裂とでは、これらの亀裂を用い評価される破壊靭性値に有限の差が存在し、この相違は、焼結粒界の結合力が低下するに従って増大することを明らかにした。 (2)粒界結合力が小さい、即ち、粒界破壊する焼結体では、粒界結合力の低下により、巨視的破壊靭性値は低下するが、その一方で、IM法による微視的破壊靭性値は向上するこれは粒界破壊により微視亀裂の局所応力が緩和されるためであり、IM法による破壊靭性値評価の問題点を提起した。また、これらの破壊力学的な現象がR曲線挙動に密接に関連付けられることを明らかにした。 (3)強度を規定する欠陥寸法が滅少するにしたがって、多結晶セラミックスの破壊靭性値が低下するとする従来の研究(微視的R曲線効果)に対し、人工欠陥(亀裂)から材料固有の潜在欠陥への破壊源の遷移が本質的に重要であり、従来の研究は再検討を要することを、上記酸化物系セラミックス、黒鉛材料、及びモデル試料(ガラス)を用いた破壊力学試験により明らかに出来た。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] M.Sakai and T.Miyajima: "Effect of FlawーFlaw Interaction on the Strength of a SodaーLime Glass" Journal of European Ceramic Society.
-
[Publications] T.Miyajima,M.Inagaki and M.Sakai: "An Application of Indentation Method to the Fracture Mechanics Study of a Polycrystalline Graphite" Journal of Materials Science.