1989 Fiscal Year Annual Research Report
均一沈殿法による無機塩からのスピネル粉体の合成と焼結
Project/Area Number |
01550604
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
加藤 昭夫 九州大学, 工学部, 教授 (50037727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
外薗 聡子 九州大学, 工学部, 助手 (20190184)
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Keywords | 均一沈殿法 / 無機塩 / スピネル(MgAl_2O_4) / アルミナ(Al_2O_3) / 尿素 |
Research Abstract |
スピネルはアルミナ(Al_2O_3)とマグネシア(MgO)の等モル化合物である。そこで本研究では、まず基礎実験としてマグネシアとアルミナの合成を行い、つぎにスピネルの合成を行った。沈殿剤発生試薬には尿素を用いた。合成は原料塩と尿素を蒸留水に溶解し、加熱(主として90℃)して行った。 ・マグネシア水和物の合成--原料塩に硫酸塩、硝酸塩、塩化物、ギ酸塩を用いたところ、いずれも結晶性の塩基性炭酸マグネシウムが得られた。収率は60〜70%であった。 ・アルミナ水和物の合成--硫酸塩からは球状アルミナ水和物が、硝酸塩からはゲル状アルミナ水和物が得られた。いずれの粉体も非晶質であった。このようにアルミナ水和物の生成には陰イオンの存在が、粒子形状に大きな影響を与える。そこで、硝酸塩水溶液にギ酸、シュウ酸、マロン酸、クエン酸等を添加してその影響を調べた。その結果、アルミナ水和物の生成において、2、3塩基酸には球状化効果があることがわかった。 ・スピネルの合成--アルミニウムとマグネシウムの硫酸塩混合溶液あるいは硝酸塩混合溶液からAl-Mg水和物を合成した。硫酸塩から合成した粉体は球状アルミナ水和物上にマグネシア水和物が生長したもので,硝酸塩からの粉体はアルミナゲルと結晶性のAl-Mg化合物の混合物であった。これらのAl-Mg水和物の形状の違いは、主に先に折出するアルミナ水和物の形状が異なるためである。いずれの粉体も1200℃の熱処理でスピネルとなった。 購入した粘度計は反応系の粘度測定に利用した。 これらの研究結果は日本セラミックス協会1990年年会で発表予定である。
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