1989 Fiscal Year Annual Research Report
レ-ザ-アブレ-シヨンによるクラスタ-生成を用いた無機薄膜の形成
Project/Area Number |
01550624
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川合 知二 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (20092546)
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Keywords | レ-ザ-アブレ-ション / 無機薄膜 / クラスタ- |
Research Abstract |
エキミアレ-ザ-パルスを集光し、銅を含む酸化物伝導体やチタン酸鉛などの無機物質に照射すると結晶構造を保ったまま小さなクラスタ-となって光化学的に放出されることがわかってきた。この現象を用いるとバルクでは存在し、薄膜状態では作りにくい結晶相を、レ-ザ-アブレ-ションのクラスタ-生成で結晶核を作ることによって生成することができる。今年度は、主にBiーSrーCaーCuーO系において、Bi_2Sr_2CaCu_2O_8Bi_2Sr_2Cu_1O_6の作り分けを行なった。その結果、クラスタ-の光化学的生成物効率はレ-ザ-強度に強く依存する事が明らかになった。光強度が弱いときは、酸化物表面上の吸着種の脱離が起り、強度度を増すに従って、構成原子の脱離、イオン化が起る様になる。さらに光強度を増していくと、1ー4J/Cm^2付近からクラスタ-及び粒子の生成が起ることが明らかになった。タ-ゲットと対向した位置にある基板状に、これらのクラスタを堆積させたところ、照射タ-ゲットの種類によって、それぞれ対応したBi_2Sr_2Cu_1Cu_2O_8構造Bi_2Sr_2Cu_1O_6構造をとる事が明らかになった。膜表面は微少な粒子から成っており、本来の構造がタ-ゲットから転写された形で膜形成が起こっている事がわかる。これら薄膜の電気的性質は、バルクでのBi_2Sr_2Cu_1Cu_2O_8とBi_2CuO_6のそれぞれの性質と似ており、バルクの性質、構造が、レ-ザ-アブレ-ション法によって薄膜に転写された事が明らかになった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] T.Kawai: "Effect of Alkaline Metal Substitution to BiーSrーCaーCuーO Superconductor" Physica C. 161. 561-566 (1989)
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[Publications] H.Tabata: "Formation of the HighーTc Phase of the Superconductina BiーSrーCaーCuーO Thin Film by Laser Ablation" Jpn.J.Appl.Phys.28. 430-433 (1989)
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[Publications] M.Kanai: "Low Temperature Formation of Multiーlayered Bi(Pb)ーSrーCaーCuーO Thin Films by Successive Deposition by Laser" Appl.Phys.Lett.54. 1802-1804 (1989)
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[Publications] H.Tabata: "Tailored Thin Films of Superconducting BiーSrーCaーCu Oxide Prepared by Excimer Laser Ablation Technique" Jpn.J.Appl.Phys.28. 823-826 (1989)
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[Publications] T.Kawai: "Basic Structures of High Tc Oxide Superconductors" Progress in High Tc Superconductivity. 15. 201-207 (1989)
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[Publications] 川合 知二: "高温超伝導体のレ-ザ-アブレ-ションと薄膜形成" 光化学. 13. 88-93 (1989)
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[Publications] T.Kawai: "Science and Technology of Thin Film Superconductors" Plenum, 6 (1989)
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[Publications] 川合知二: "最先端レ-ザ-加工技術" CMC, 13 (1989)