1990 Fiscal Year Annual Research Report
レ-ザ-アブレ-ションによるクラスタ-生成を用いた無機薄膜の形成
Project/Area Number |
01550624
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川合 知二 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (20092546)
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Keywords | レ-ザ-アブレ-ション / 無機薄膜 / 酸化性ガス / 低温結晶化 / 低圧結晶化 |
Research Abstract |
エキシア-レ-ザ-パルスを集光し、銅を含む酸化物導電体などの無機化合物に照射すると、その光強度によって原子・イオンにまで分解されたり、クラスタ-で放出されたりすことがわかってきた。このレ-ザ-アブレ-ションを酸化ガス雰囲気中で行なうことにより,基板上に無機酸化物薄膜を形成することができる。前年度のBiーSrーCaーCuーO系でのBi_2Sr_3CaCu_2O_8とBi_2Sr_2CuO_6相のクラスタ-放出を利用した作りわけに引きつづき,さらに小さな原子・イオンにまで分解し基板上に推積させ無機薄膜を形成した。種々の酸化雰囲気中でBi_2Sr_2CrO_6薄膜の形成を試みた結果,NO_2>N_2O>O_2の順に効果的であることがわかった。NO_2中では10^<-4>Torrという低圧でも充分酸化され,結晶化することがわかった。N_2O中では,50〜100℃低い基板温度でもBi_2Sr_2CuO_6は結晶化し,低温結晶化に有効であることがわかった。これは,レ-ザ-によって生成したOラジカルが有効に働いているためと考えられる。O_2とN_2Oを混合した雰囲気中では,成膜の低温化ができるだけでなく,薄膜中に充分の酸素がとりこまれることがわかった。O_2のみの雰囲気では膜表面にCuOなどの不純物粒子が析出し,モルフォロジ-を悪化させる。成膜中の基板励起(ArF:193nm)は低温結晶化に有効であり,X線回折パタ-ンの半値巾を狭くする。10mJ/cm^2程度の弱いエネルギ-の照射で充分その効果があることがわかった。以上の様に、レ-ザ-アブレ-ション法は無機酸化物薄膜の形成に有効であること、又、雰囲気の選択により低圧,低温での薄膜形成が可能であることが明らかになった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] T.KAWAI: "New cuprate superconductors" Nature. 349. 200-200 (1991)
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[Publications] M.KANAI: "Effect of oxidation on the formation of Bi_2Sr_2CuO_6" Appl.Phys.Lett.57. 2716-2718 (1990)
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[Publications] M.KANAI: "Superconducting superlattices" Appl.Phys.Lett.57. 198-200 (1990)
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[Publications] H.Tabata: "Tailored thin film of a superconducting BiーSrーCaーCuーO prepared by incorporation od exotic atoms." Appl.Phys.Lett.56. 1576-1578 (1990)
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[Publications] 川合 知二: "人工的な層構造制御による酸化物高温超伝導薄膜の設計" 応用物理. 59. 610-617 (1990)
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[Publications] 川合 知二: "積み上げ法による高温超会導超格子の設計" 日本金属学会会報. 29. 733-739 (1990)
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[Publications] 川合 知二: "化学総説:表面励起プロセスの化学・第6章" 日本化学会, (1991)