1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550625
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
木谷 晧 広島大学, 高学部, 助教授 (70034395)
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Keywords | 導電性高分子 / 電解重合 / 電気伝導度 / グルコ-スセンサ- |
Research Abstract |
本研究では、導電性高分子の有機機能材料としての応用を目的として、電解重合法による導電性高分子膜の合成及び得られる高分子膜の機能の向上について検討し、以下に述べる成果を得た。 1.ポリアニリンの機能の向上 ポリアニリンはその優れた機能により実用材料として期待されているが、その伝導度(10Scm^<-1>以下)及び機械的性質が劣るという欠点を有する。ポリアニリンの伝導度の向上を目的として、電解合成時の反応条件を詳細に検討した結果、適切な条件を選ぶことにより、その伝導度が従来知られている値より一桁向上する事(最大値80Scm^<-1>)を見出した。また、ポリアニリンの伝導度を支配する因子について検討した結果、得られたポリマ-のモルホロジ-及び重合度が重要な因子である事を明らかにした。さらに、本研究で得られた高導電性ポリアニリンは、その機械的強度(最大応力1kgcm^<-2>)においても、もろくて引張り強度が測定不可能な通常のポリアニリンに比較して優れていた。 2.酵素複合化高分子膜の機能の向上 電解重合法により作成したグルコ-スオキシダ-ゼ(GOD)-ポリピロ-ル修飾電極のグルコ-スセンサ-としての機能の向上を目的として、GODの補欠分子族であるフラピン補酵素(FADあるいはFMN)の同時固定化の効果を検討した。その結果、フラビン補酵素を膜中に共存させることにより、センサ-の感度を20倍以上向上させる事ができた。また、センサ-は100日以上劣化する事なく使用可能であり、安定性の点においても向上がみられた。感度向上の原因について種々の立場から検討を加え、固定化したフラビン補酵素は高分子膜中のGODの酵素活性を向上させるよう機能していることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ken-ichi Yoshikawa: "Preparation of Highly Conducting Polyaniline" J.Electroanal.Chem.270. 421-427 (1989)
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[Publications] Akira Kitani: "Electrochemical Preparation of Highly Conducting Polyaniline" Abst.40the Int.Soc.Electrochem.Meeting. 1. 229 (1989)
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[Publications] 加洲教雄: "電解重合法により同時固定化された酵素・補酵素修飾電極のグルコ-スセンサ-への応用" Rev.Polarography. 35. 27 (1989)
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[Publications] 加洲教雄: "補酵素と同時固定化した酵素・ポリピロ-ル修飾電極のグルコ-スセンサ-としての特性" 第10回化学センサ-研究発表会要旨集. 10. 133-136 (1989)
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[Publications] 木谷晧: "アニリン誘導体ポリマ-のエレクトロクロミズム" 染料と薬品. 34. 35-45 (1989)
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[Publications] 木谷晧: "有機分子で電池を創る" 表面科学. 10. 209-211 (1989)