1989 Fiscal Year Annual Research Report
理論計算に基づく固体酸触媒による環構築反応に関する研究
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01550640
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 孝志 東京工業大学, 工学部, 助教授 (80110724)
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Keywords | 渡環反応 / Diels-Alder反応 / 固体酸触媒 / 分子力場計算 / MM2遷移状態モデル / 配座解析 |
Research Abstract |
本研究は、中・大員環化合物の渡環反応による新しい環構築法の開発を目的とし、エナンチオ選択的Diels-Alder反応(図1)、酸触媒によるエポキシド/オレフィンの渡環反応(図2)について検討した。同時に、分子力場計算による立体選択性の予測、構造決定についても検討した。 14員環エノン1のDiels-Alder反応行い、高い選択性(27:1)でエンド体2が得られた。この結果、MM2遷移状態モデルを計算するのに必要な電子的(効果(エンド効果)を1.22Kcal/molと見積もることができた。この補正項を考慮し、エノン3の計算を行うとエナンチオ選択性は7:3と予想できた。現在、不斉Diels-Alder反応について検討を行っている。 アリルアルコ-ル5のエポキシ化で得られた6の相対立体化学をMM2を用いた配座解析により決定した。すなわち、プロトン間の二面角からNMRの結合定数を算出し、実測値との比較からβエポキシド6であることが分かった。この構造はX線解析でも確かめらさた。さらに、酸触媒による渡環反応について検討し、ビシクロ環7が生成することが明らかになった。6のMM2計算の結果(図3)、反応点間の距離、π軌道の方向がこの渡環反応の選択性に重要な役割をしていることが分かった。現在、種々の酸及び固体触媒により、この反応の検討を行っている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 高橋孝志: "中・大員環化合物の立体化学制御-分子力場計算に基づく立体選択性の予測と天然物合成-" 有機合成化学協会誌. 47. 135-153 (1989)
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[Publications] 高橋孝志: "中・大員環立体化学制御を利用した天然物合成における分子力場計算の応用" 油化学. 38. 352-362 (1989)
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[Publications] Takashi Takahashi: "Stereoselective Cyclopropanation of the 10-Membered Enone Total Synthesis of Bicyclohumulenone" J.Org.Chem.54. 4273-4275 (1989)
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[Publications] Takashi Takahashi: "EFFICIENT APPROACH TO THE OPPOLZER-KAMETANI INTERMEDIATE FOR ESTRONE METHYL ETHER USING THE CONJUGATE ADDITION-ENOLATE METHYLATION OF THE CYCLOPENTENONE CONTAINING AN α-APPENDED MOIETY" Tetrahedron Lett.30. 4999-5002 (1989)
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[Publications] Haruo Yamada: "New Synthetic Intermediate for 8-methylhydrindanone" (1990)
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[Publications] Takashi Takahashi: "ENANTIOSELECTIVE APPROACH TO THE STEROID SKELETON BY CONJUGATE ADDITION OF ALKENYLCOPPER-PHOSPHINE COMPLEXES.TOTAL SYNTHESES OF ESTRONE METHYL ETHER AND ITS 7-ALKYLATED" (1990)