1989 Fiscal Year Annual Research Report
不斉アミドセレン化反応を利用する光学活性アリルアミン誘導体の合成
Project/Area Number |
01550648
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
年光 昭夫 京都大学, 化学研究所, 助手 (60127107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植村 栄 京都大学, 化学研究所, 助教授 (70027069)
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Keywords | 光学活性アミド / 光学活性アルコ-ル / 2-ピリジルセレン基 / リッタ-反応 |
Research Abstract |
1.β位にセレン基を有する化学活性アルコ-ルの合成 (1)α位にセレン基を有するケトンの不斉還元 α位にセレン基を有するアセトフェノンの不斉還元を試み、予想に反して市販の光学活性ボラン試剤を用いても満足すべき光学純度(〜95%)のアルコ-ルが生成することを見出した。本反応はフェニル基に電子吸引性、あるいは供与性の置換基を導入しても円滑に進行する。アリ-ル基の替わりにアルキル基を有する基質について検討すれば当初の予定を達成するが、これについては現在までには好結果が得られず次年度の課題である。 (2)光学活性エポキシドのセレン基による開環 市販あるいは文献既知の方法で合成した光学活性エポキシドを、水素化ホウ素ナトリウムとジフェニルジセレニドより調整した試剤により開環した。反応はほぼ定量的に進行し、次の二例以外はすべて置換基の少ない炭素原子にセレン基が導入された異性体のみが選択的に生成した。例外はアリ-ル基を有するエポキシドの場合であり、フェニル、ペンタフルオロフェニルいずれの場合にも二種類の位置異性体が等量ずつ生成した。これらの場合もカラムクロマトグラフィ-で容易に分離でき、光学純度も全く失われておらず、β位にセレン基を有する光学活性アルコ-ル合成法として有用な手段であると確認した。 2.β位にセレン基を有する光学活性アミドへの変換 上記により合成したアルコ-ルをリッタ-型の反応によりアミドに変換する際、セレン基としてフェニルセレン基を用いるとラセミ体のアミドが生成するが、2-ピリジルセレン基を用いると立体を保持した光学活性アミドが生成することを見出した。他のセレン基、求核種についてはまだ好結果が得られず次年度の課題である。
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Research Products
(1 results)