1990 Fiscal Year Annual Research Report
アルキルシラン類の合成と物性に関するイオン分子反応によるモデル的研究
Project/Area Number |
01550653
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
山本 正夫 奈良女子大学, 理学部, 教授 (80028159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 孝江 奈良女子大学, 理学部, 助手 (80201606)
岩井 薫 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (90127423)
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Keywords | アルキルシラン / EIMS / イオンー分子反応 / LC / MS |
Research Abstract |
昨年度に引き続き,アルキルシランの合成,ab initio MO計算,LC/MS法によるイオン分子反応の検討を行った.昨年度のアルキルモノシランのマクスペクトルに現れたm/z73(CH_3SiH_2CH_2CH_2^+)イオンの安定性について計算を行った.このイオンは溶液反応ではσーπ共役で安定化する反応中間体として知られている.SiH_2ーCH_2とその隣のCH_2ーCH_2結合の長さが分子イオンのそれよりも短くなり,また,この2つの結合のなす角度はほぼ直角になって,CH_3ーSiH_2のσ結合とβ位のカルボカチオンの空のp軌道の間に,σーπ共役のできたことが確かめられた.アルキルジシランの1,1,2,2ーTetramethyldisilaneとその類似化合物を合成し,EIMSの測定を行った.1,1,2,2ーTetramethyldisilaneの特徴的なピ-クもモノシランと同じm/z73であったが,重水素化合物などの結果から,SiーSi結合の開裂の際,異なるケイ素上のメチル基と水素原子とが同時に移動したイオン(CH_3)_3Si^+であることを確かめた.この反応の中間体は四員環構造をとると考えている.CH_3CNとMe/AcONH_4を溶離液にして,Dimethylphenylchlorosilane(MW=170)のLC/MSによるスペクトルを測定した.溶離液とイオン分子反応は,物性のわかった溶離液の使用で目的物質の反応・物性が検討できる.いずれのスペクトルにもMH^+のm/z171のほかCH_3CNの付加したm/z212とMeOHの付加したm/z202が現れた.2つの溶離液による違いは,分子イオン群のm/z170とm/z171との強度比に明かな差を見いだせたことである.これに関する研究は今後の検討課題にしたい.
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