1990 Fiscal Year Annual Research Report
低極性溶媒中における光電子移動反応の合成化学的応用
Project/Area Number |
01550655
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Research Institution | Miyasaki University |
Principal Investigator |
志摩 健介 宮崎大学, 工学部, 教授 (20029862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中林 健一 宮崎大学, 教育学部, 講師 (60201670)
保田 昌秀 宮崎大学, 工学部, 助教授 (00174516)
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Keywords | 光電子移動反応 / 光アミノ化反応 / 低極性溶媒 / 芳香族炭化水素 / オキセタン / エキシプレックス |
Research Abstract |
1.低極性溶媒中でのエキシプレックスを経由する芳香族炭化水素の光アミノ化反応 フェナントレンなどの芳香族炭化水素のアルキルアミンによるアミノ化反応は、電子受容体存在下極性溶媒中において光照射を行なうと簡単に起こることを既に見いだしている。この反応を1,2ージメトキシエタン、テトラヒドロフラン、または1,4ージオキサンなどの低極性溶媒中で行なった時、光アミノ化反応は進行しない。しかし、この系にテトラブチルアンモニウムテトラフルオロボラ-ト塩を添加すると光アミノ化反応が進行することが明らかになった。反応の速度論的解析の結果、低極性溶媒中で生成するフェナントレンとpージシアノベンゼンのエキシプレックスが塩によってイオンラジカルに解離し、その結果生じたイオンラジカル対へアミが求核攻撃する機構で光アミノ化反応が進行していることが分かった。 同様の反応をナフタレン類について検討した結果、フェナントレンの場合と同様に塩が存在するときに低極性溶媒中で反応が進行することが分かった。アントラセンの場合は1,2ージメトキシエタン中では塩が存在するしないにかかわらず反応が進行し、極性のより低い1,4ージオキサン中では塩が存在するときだけに反応が起こることが分かった。 2.オキセタンを経由する光化学反応。 オキセタン環の環開裂はトリエチルアミン存在下ヘキサン中で光照射すると比較的高効率で進行し、アルケンを生成することが明らかになった。この反応をアセトニトリル中で行なっても効率よくは進行しない。この反応はオキセタン化合物とトリエチルアミンの間で形成するエキシプレックスを経て開裂反応が進行することを明らかになった。
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[Publications] 保田 昌秀: "エキシプレックスを経由するフェナントレンの光アミノ化反応に対する塩効果の速度論的解析" 日本化学会誌. 1292-1298 (1989)
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[Publications] 保田 昌秀: "光電子移動反応を経由するフェナントレン類のアンモニアおよびアミンによる直接的光アミノ化反応に対する溶媒効果" 旭硝子工業技術奨励会研究報告. 54. 263-269 (1989)
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[Publications] Kenichi Nakabayashi: "Photochemical RingーCleavage Reactions of 2,2ーDiarylーoxetanes in the presence of Electron Doror." Bull.Chem.Soc.Jpn.62. 2733-2735 (1989)
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[Publications] 志摩 健介: "ナフトアルデヒド類の2.3ージメチルー2ーブチンへの光付加ならびに生成オキセタンの光誘起環開裂反応" 宮崎大学工学部研究報告. 36. 23-29 (1990)
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[Publications] 保田 昌秀: "低極性溶媒中での芳香族炭化水素の光アミノ化反応ーエキシプレックスの電荷分離に対する塩効果" 旭硝子財団研究報告書. 56. 103-109 (1990)