1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550656
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Research Institution | Keio University, Faculty of Science and Technology |
Principal Investigator |
小山内 州一 慶応義塾大学, 理工学部, 助教授 (70051828)
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Keywords | レシチン類縁化合物 / 二鎖型両親媒化合物 / 表面張力低下能 / ベシクル / リポソ-ム |
Research Abstract |
糖質や脂質を原料とする界面活性剤はその原料が値物代謝物として安定に供給される等の利点がある他、生分解に優れ、環境への影響は極めてわずかな界面活性剤の一つである、著者らは、レシチン構造を分子設計の指針として、Fig・1の構造式に示すような両親媒化合物の合成を試み、このものを疎水鎖を二本有する陽イオン界面活性剤としてとらえその水溶液における表面張力低下能や表面圧力-面積曲線を求め、β位の不斉の効果を検討した。また親水基としてベタイン型の両性界面活性剤を調製して親水基のイオンの差異糖が表題の両親媒化合物水溶液の性質におよぼす影響を検討した。 得られた化合作の熱的性質をDSCメ-タ-を用いて検討した。いずれのアシル化同族体においても光学活性なS体の方がラセミ体よりも10℃前後高い融点を示した。試料を水に溶解し、超音波処理を施した時の3%水溶液のゲル/液晶転移温度(Tc)を測定した。試料溶液は溶媒の水を凍結させるか、させないかにより明確に異なるTcを示した。すなわち、凍結処理を施すと施さない場合に比較して40〜50℃高いTcを示した。S体、ラセミ体両者のTcの温度差はアシル基が長くなるに従い、減少する傾向にあった。 これら化合物はボルテックスミキサ-処理や超音波処理を行うことによりリポソ-ムを形成することが透過型電子顕微鏡により観察された。観察された代表的なものには、ユニラメラベシクル構造行の物とマルチラメラベシクル構造をとるものが認められた。
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