1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550657
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
橋本 静信 同志社大学, 工学部, 教授 (90066027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加納 航治 同志社大学, 工学部, 教授 (60038031)
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Keywords | ジナフチルメタン / シクロデキストリン / 分裂型Cotton効果 / 不斉錯体 / 核磁気共鳴 / 水素結合 / 修飾シクロデキストリン / ビリルビン |
Research Abstract |
1)環状および鎖状オリゴ糖とジナフチルメタン類との不斉錯体 パモン酸(4,4'ーメチレンビス[3ーヒドロキシー2ーナフタレンカルボン酸])は、2つのナフタレン発色団がメチレンで結合したアキラルな化合物であるが、環状オリゴ糖であるrーシクロデキストリン(rーCDx)に包接されると、(+)→(ー)の極めて強い分裂型Cotton効果に基づくCDスペクトルを与えた。このことは、(R)ーヘリックスパモン酸がrーCDx空洞内で選択的に形成されることを意味する。 ^1HNMR特にNOESY測定から、ゲスト分子であるパモン酸は、rーCDxの1級水酸基側からその空洞内に包接され、1つのナフチル基はrーCDxのC_8対称軸に長軸が平行にならび、他のナフチル基は、CDx空洞のヘリ部に位置するという構造をとることが明らかとなった。中性pH領域では、パモン酸のカルボキシラ-トアニオンがrーCDxの2級水酸基と水素結合していることも、他種類のシクロデキストリンを用いた結合定数の比較から明らかとなった。鎖状オリゴ糖とパモン酸との系においては、議論し得るほどの不斉誘導は認められなかった。 2)化学修飾シクロデキストリンとビリルビンおよびビナフト-ル類との不斉錯体 βーCDxの1級水酸基を水素で置換したヘプタキス(6ーデオキシ)ーβーCDx(HーβーCDx)とーNH^+_3Cl^ー基で置換したNH^+_3ーβーCDxとを合成した。HーβーCDxとビリルビン(BR)との錯体は、βーCDxと同様(ー)→(+)の分裂型Cotton効果を示し、このことより、βーCDxーBRキラル錯体は、CDxの2級水酸基との水素結合が関与することがわかった。一方NH^+_3ーβーCDxとBRとの錯体は逆のCotton効果を示す。ーNH^+_3とBRとの水素結合性錯体が示唆される。一方、1,1'ービナフチルー2,2'ジイルハイドロゲンホスフェ-トとHーβーCDxとの錯体は、βーCDxと同じキラル選択性を示した。
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[Publications] Koji Kano: "Control of Headgroup Orientation of Monolayer by Glucolipid" J.Phys.Chem.
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[Publications] Koji Kano: "Cyclodextrinーinduced Conformational Enantiomerism of Dinaphthymethanes" J.Am.Chem.Soc.
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[Publications] Koji Kano: "Fluorescence and Circular Dichroism Studies on Molecular and Chiral Recognition by Cyclodextrins" Inclusion Phyenomena and Molecular Recognition. 243-249 (1990)