1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550658
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
西長 明 大阪工業大学, 工学部, 教授 (80025882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 一茂 大阪工業大学, 工学部, 講師 (20079560)
稲田 昭 摂南大学, 薬学部, 講師 (70095305)
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Keywords | コバルトシッフ塩基錯体 / 酸素酸化 / 基質アニオン錯体 / 高選択的酸化 / ジオキシゲナ-ゼ反応 / 生体類似反応 / 超酸触媒作用 |
Research Abstract |
1.コバルトシッフ塩基錯体〔Co(SB)〕のジオキシゲナ-ゼ型触媒反応機構を解明する目的で、フラボノ-ルとCo^<III>(SB)(OH)との反応で基質アニオン錯体を合成し、そのO_2に対する挙動を研究した結果、配位飽和状態でのみO_2が取り込まれ、この取り込み過程が基質アニオン錯体とO_2との間の非ラジカル的2分子反応であることを明らかにした。この結果はヒドロキソ錯体Co^<III>(SB)(OH)の塩基触媒作用として理解されるが、その直接的証明として、配位飽和Co^<III>(SB)(OH)が2'-ヒドロキシカルコン類のフラバノン類への可逆的交換反応を、また0-ヒドロキシジベンゾイルメタン類の逆クライゼン反応、フラボン生成反応を触媒することを見出した。 2.配位不飽和Co^<III>(SB)(OH)がアルコ-ル溶媒中スチレン類の一原子酸素化反応を触媒する反応の展開として、フェニルアセチレン類への応用を試みたところ、アセトフェノン、マンデル酸エステル、ベンゾイルギ酸エステルの各誘導体が高選択的に得られることを見出した。その機構は中間に生成するHCo(SB)の三重結合への付加とそれにつづくO_2導入およびアルコ-ル溶媒取り込みの連続反応として理解できる。 3.オレフィンのNaOCl酸化反応に対してCo(SB)が触媒作用を示すことを見出したが、主生成物はエポキシドであって、その反応がラジカル過程で進行すること、酸化還元電位の高いCo(SB)ほど触媒活性が高いことを明らかにした。この反応機構は反応初期に生成する配位不飽和Co^<III>(SB)(OCl)と基質との相互作用で発生するClO・が二重結合を攻撃を含むと考えられる。 4.その他、Co^<III>(SB)(OH)かエポキシ化合物の加メタノ-ル分解反応を触媒し、その触媒作用が配位不飽和Co^<III>(SB)種の超酸触媒作用に起因することを明らかにした。今後、不斉酸素酸化反応におけるCo(SB)の触媒作用、Co(SB)のペルオキシダ-ゼ型活性等について研究を進める。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] A.Nishinaga: "Substrate Anion Cobalt(III)Complex Intermediate in Model Quercetinase Reaction Using cobalt Schiff Base Complex" Tetrahedron Lett.30. 2257-2258 (1989)
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[Publications] K.Maruyame: "Conversion of 2'-Hydroxychalcones to Flavanones Catalyzed by Cobalt Scjoff Base Complex" Tetrahedron Lett.30. 4145-4148 (1989)
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[Publications] A.Nishinaga: "Cobalt Schiff Base Complex Promoted Retro-Claisen Reaction of 1-(2-Hydroxyphenyl)-3-PhenyL-1,3-Propanediones and Flavone Formation" Tetrahedron Lett.31. (1990)
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[Publications] A.Nishinaga: "Oxygenation of Phenylacetylene Catalyzed by Co(Salen)" J.Chem.Soc.Chem.Commun.(1990)
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[Publications] A.Nishinaga: "Co(Salen)Catalyzed Oxidation of Oximes with t-Butyl Hydroperoxide" React.Kinet.Catal.Lett.41. (1990)
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[Publications] A.Nishinaga: "Cobalt Schiff Base Complex Catalyzed Epoxidation Using NaOCl" React Kinet.Catal.Lett.41. (1990)